統合失調症 100人に1人

それぞれの生きる道

まだまだ知らない人が多い統合失調症ですが、人口における発症率を見ると、身近な精神疾患であることがわかります。日本においては100人に1人の割合で発症しており、はっきりとした原因が未だに明らかにされていません。

2015年現在の日本には、およそ80万人の通院患者と10万人以上の入院患者がいます。発症時期としては20歳前後という、通常であれば人生のうちで最も元気な時期が多いようです。

この疾患は、脳内で情報を伝える役割をする神経伝達物質のバランスが崩れるときに症状が現れることが突き止められています。なぜ通常のバランスが崩れてしまうのかという点がはっきりわかっていません。

代表的な症状に、幻覚、幻聴、妄想といったものがあり、これらは実際に存在しないものの、本人は確かに見ており、聞いています。聞こえてくる声は現実そのものなのです。ですから、当の本人には幻聴や幻覚と現実との区別がつきません。

他人がいくら「そんなものはない」「気のせいだ」と否定したところで、なかなか納得してくれないのは、こうしたところに一因があります。まして精神科を受診するとなると、本人の抵抗にあうことが多く、さらに敷居が高くなります。

統合失調症チェック

この疾患も早期発見ができればその分対策も打ちやすくなるので、客観的に自分を見てみることは助けになります。以下は簡易な統合失調症のチェックリストになっています。

  1. 自分の考えや気持ちが何かに支配されているように感じる
  2. 経験した事柄や考えが現実なのか妄想なのか、わからなくなることがある
  3. 黙っていても他人に自分の考えが伝わったり、他人の考えが自分に伝わってくるように感じる
  4. 誰かが自分に危害を加えることを企んでいるように感じたり、実際に危害を加えられているかのように感じる
  5. 近くに誰もいないのに、誰かの話している声が聞こえてくることがある
  6. 奇妙で普通でない出来事が自分の周囲で生じているように感じることがある

これらがひとつでも当てはまり、周囲の人からみても「最近元気がなくなった」など、以前と変わったような感じが認められる場合、一度専門医に診てもらうことをおすすめします。そうすることで、症状がエスカレートするのを防ぎ、早期発見のきっかけとなるかもしれません。

もし統合失調症の場合、放置していれば症状が進んでしまいます。症状が進むと幻聴や幻覚、妄想に自分が支配されるようになり、普通の生活を送るのが困難になってゆきます。

統合失調症の基本的な治療方針は、心理的なものと、投薬治療があります。向精神薬などで過敏に分泌される脳内物質のバランスとできる限り整えることにより、幻覚や幻聴を改善することを目指します。リハビリや本人が安心できるような環境改善も含まれます。

幻聴に対処する方法のひとつに、自分自身が夢中になれるもの、好きなことや楽しめることを行なってみるというものがあります。

もちろん個人差はありますが、例えば、夢中になって本を読んだり、好きな絵を書いたりすると、自分の世界に入り、その間は幻聴や幻覚から解放されることがあります。

投薬の量も種類も個人差がありますから、医師と協力しつつ、自分に合った種類の薬や量を発見できればずっと楽になります。統合失調症は、今日、明日といった短期間で治るものではありませんから、あわてずに試行錯誤しながら一番安心できるような生きる道を見つけて参りましょう。