自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)の子どもたち 生活の中の工夫

食べ物の好き嫌い

アスペルガー症候群では、ひとつの行動から次の行動への移行が、人一倍、力の消費となることがあります。

よくあるケースは、寝起きです。目覚まし時計を止めてはまた眠ってしまい、起こす人にも抵抗を示すことがあります。

そんなときには、起床時間を余裕をもって定め、実際に起床する時間の何分か前に「あと何分で起きてね」と予告を与えてあげることが助けとなります。

目覚まし時計も、一度止めてもまた何分か後にアラームが鳴る「スヌーズ機能」を使うのが効果的な場合があります。

食べ物の好き嫌い

また、アスペルガー症候群では、食事の好き嫌いが多いこともよくあり、料理を作る側もなかなか大変です。しかし、親としては、子どもの健康のために食べさせたい食品があるものです。

ごく少量の、本人がきづかないような量、もしくは、本人が大丈夫な量から始め、徐々に慣れさせていく方法が良いかもしれません。

チャレンジする際には、子どもが嫌いな食品のうち、1種類だけにします。嫌いな物を一度に何種類もいれてしまうと、ただでさえ敏感なので逆効果です。

調理法を変えて、味を分かりにくくすることも助けになるかもしれません。頑張って食べれたなら、褒め言葉をはじめ、ご褒美をあげるのもいい方法です。

外出時

また、外出についてはどうでしょうか。アスペルガー症候群の子どもの中にも、外出に対して抵抗を示すことがあります。

毎日の決まった生活パターンが乱され、慣れない場所や人などの新しい刺激がストレスとなるのです。

外出に対して、本人が抵抗や不安を抱きやすいなら、あらかじめ心の準備をさせることが助けになります。

初めて行くところならば、パンフレットや写真などの視覚に訴える物を用いる、計画表などを使って、見通しをたてることなどが役立ちます。

本人の関心や興味に活躍してもらうのもいいかもしれません。自動車や列車などの乗り物に興味があるでしょうか。歴史や地理、化学、スポーツに関心があるでしょうか。

そのように子どもの特性に配慮しながら、子どもの参加も交えながら進めてゆくと、より積極的に外出してくれるかもしれません。

用事や宿題をやらせるには

アスペルガー症候群は、ひとつの状態から別の状態への移行を苦手とします。これは、寝起きが容易ではないというところでも考えましたが、宿題や用事をすぐにやるということも挑戦になることがあります。

ことに宿題は大抵、翌日が提出期限で、帰宅から就寝までの限られた時間の中でこなさなければなりません。もともと切り替えが苦手な子の場合、親からガミガミ言われても嫌々するというパターンに陥りがちです。

やらないといけないのはわかっていても、時間ギリギリにならないとなかなか取りかかれないものです。

宿題は内容も変化することもさながら、「ある日」と「ない日」があり、いつも同じ生活パターンを好むアスペルガー症候群にとっては厄介なものです。

視覚化

このような場合にもコツは、やはり「視覚化」が助けになります。目に付くところに計画表やスケジュールを貼り、一週間、毎週同じようなスケジュールにすることがいいかもしれません。

計画表には「やるべきことリスト」も含め、成し終えた場合には、シールを貼る、スタンプを押すといった作業も習慣化します。視覚に訴えると同時に、聴覚に訴えることも助けになります。

タイマーなどを用意して、毎日決まった時間になると鳴るようにセットし、それを合図にとりかかったり、休んだりするようにするのです。

また、頑張って努力できたときには「ご褒美」も大切です。子どもでも大人でも褒められるというのはうれしいものです。それは、自己肯定感や自尊心を高め、自信につながります。