アルツハイマー コミュニケーションと愛情

どんなときも愛情を

問題に対処する能力は人によってずいぶん違うものです。

それは、アルツハイマー病の介護に関しても言えることです。

驚くほど多くのことを求められながら、それを首尾よく処理できる家族もいれば、患者の性格がほんの少し変化しただけで、ほとんどお手上げの状態になってしまう家族もいます。

そのような違いはどうして生じるのでしょうか。

一つの要素として考えられるのは、発病前に患者と介護者の間にどんな人間関係があったかということです。

固いきずなで結ばれ愛にあふれた関係にある家族は、問題に対処しやすいかもしれません。

また、アルツハイマー病の人をよく介護するなら、病気に対処するのが比較的容易になるかもしれません。

アルツハイマー病の人は知的能力が低下しますが、愛や思いやりに対しては普通、病気の最終段階にいたるまで反応するものです。

コミュニケーションの方法は一つではない

お気づきかもしれませんが、アルツハイマー患者が言葉の意味を理解できないとしても、言葉だけがコミュニケーションの手段ではありません。

むしろ、介護者にとって欠くことができないのは言葉によらないコミュニケーションで、その手段としては、温かくて親しみ深い表情や穏やかな口調などがあります。

また、視線を合わせることや、明瞭で安定した話し方をすること、さらには患者の名前をよく用いることも大切です。

79歳の夫がアルツハイマーを患っている和田さんはこう述べています。

「愛する人とコミュニケーションを保つことは可能ですし、大切なことでもあります。温かく愛情のこもった仕方で体に触れたり、穏やかな口調で話したり、そばにいてあげたりすると、愛する人は安心し、自信を持ちます」

愛情があるなら、特に会話することが難しくなった時でも親密な関係を保てます。

病気の人の手を握る、座って体に腕を回してあげる、優しい声で話す、抱擁してあげる、…こうしたことはいずれも、引き続き気に掛けていることを示す方法なのです。