アルツハイマー病 本人に知らせる?

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愛する人を介護している多くの人は、アルツハイマー病であることを本人に伝えるべきかどうか思案します。もし伝えることにしたなら、どのように、またいつそうすればよいのでしょうか。

南アフリカのアルツハイマーおよび関連疾患協会の会報に、ある読者からの次のような興味深い経験が寄せられました。

「主人がアルツハイマー病になってから7年たちます。主人は現在81歳ですが、ありがたいことに症状の進行は緩やかです。…長い間、アルツハイマー病であることを本人に伝えるのは残酷に思え、『80歳のおじいさんにこれ以上の何を期待するのだ』という主人の“上辺をつくろう”言葉に同調してきました」

次いで、その読者は、病気について親切かつ分かりやすい仕方で患者に知らせることを勧めるある本に言及しました。

もっとも、この女性は、その助言通りにすれば夫は打ちのめされるのではないかと恐れて、伝えるのをやめました。

本人が気にしているなら

その人はこう続けます。「するとある日、主人は、大勢の友達のいる所で恥をかくのが心配だ」と言いました。私は今こそチャンスだと思いました。

それで、ひやひやしながら主人の隣にひざまずき、主人がアルツハイマー病であることを伝えました。

もちろん、主人はそれが何なのか理解できませんでしたが、私は、その病気のせいでいつも簡単にできていたことをするのが大変になったこと、またその病気のせいで忘れっぽくなったことを説明しました。

南アフリカのアルツハイマーおよび関連疾患協会の会報の『アルツハイマー病: いつまでも無視するわけにはいかない』という冊子から主人に二つの文だけ見せました。

『アルツハイマー病は記憶欠損と知的機能の深刻な低下を生じさせる脳障害です。…それは病気であり、正常な老化現象の一部ではありません』。

また、友人たちがこの病気のことを知っていて、理解してくれていることを伝え、安心させました。

主人は少し考えた後、『なんだそういうことだったのか。本当に助かった』と安堵の声を上げました。病気について知った主人が大きな安心感を得るのを目の当たりにし、私がどのように感じたかお分かりいただけると思います。

「それで今では、主人が何かのことでいらいらしているような時はいつも、主人の体に腕を回して、『それはあなたのせいじゃないのよ。あのいまいましいアルツハイマー病のせいなのよ』と言います。すると、主人はすぐに落ち着きます」。

もちろん、アルツハイマー病は患者によって症状が異なります。また、介護者と患者との関係も異なります。

ですから、アルツハイマー病にかかっている人にそのことを伝えるかどうかは個人が決定すべきことです。