統合失調症とは

統合失調症

統合失調症とはいったいどのような疾患なのでしょうか。数十年にわたる観察と研究により、多くのことが理解されるようになりました。ここでは、おおまかに統合失調症とはどのようなものか注目しています。

統合失調症は、脳の働きに障害が生じるため、人の声が聞こえるなどの幻聴や実在しない物が見える幻視(幻視と幻聴をあわせて幻覚といいます)、「だれかが盗んだ」「だれかが私を殺そうとしている」などの妄想が起きます。

ほかに、話に一貫性がなくなったり、感情が乏しくなったり、意欲低下でごろごろしてしまう、入浴を避ける、独り言をいう、理由もなくニヤニヤする、怒ったような顔をする、家に閉じこもるといった様々な症状も報告されています。

原因と発生率

原因はいまだはっきりしませんが、脳内の神経伝達物質ドーパミンが働き過ぎるために情報処理に問題が生じるのではないかと言われています。

そういえる根拠の一つとして、この病気を改善するのに役立つ薬の多くがドーパミンを抑える働きがあるという点をあげることができます。

発生率は国や地域にかかわりなく、世界中で発症しており、100人~120人に1人の割合と言われています。

発症年齢は10~50歳と幅広いですが、そのほとんどは20歳前後です。

回復率は4分の1の確率

経過はひとりひとり違いますが、患者の4分の1は病気の前の常態に戻る、つまり回復します。

4分の1は完全には戻りませんが、残る症状は軽く、4分の1はよくなったり悪くなったりの繰り返し、4分の1はあまり改善されないと言われています。

治療

統合失調症の治療は最近ほとんどが外来で行われています。

症状が激しく、入院が必要な場合もありますが、それも短期間とされています。

長期間入院してしまうと社会復帰が困難とされているからです。

薬はドーパミンの作用を抑制する対精神病薬を中心に使いますが、意欲の低下、眠気、筋肉のこわばり、月経不順、目が見えにくくなる、便秘などの副作用が起こる場合があります。そのため、副作用の大小により医師が薬を調整します。

薬が効き、回復の様子が見えるとリハビリテーションに入ります。

家族は激励態勢に入ったり、腫れ物に触れるかのように接することもありますが、あまり気にせずにいつもどおりに接してあげるのが自然で良いとされています。

家族は病気に対する正しい知識と患者に対する接し方を各保健所、精神保健福祉センター、病院などで学ぶことができます。

また、全国展開する患者の会・家族の会などでも情報提供を受けたり、意見交換したりできます。

自分の躁状態を自分で認識できない

物事に対する注意や関心も強いものがありますが、長続きせず、すぐに目移りして、行動に一貫性が欠けています。

食欲や性欲も高まり、内側から沸き上がってくるような活動力を感じますので、眠りたい、休みたいという欲求が少なくなります。

そして、実際に躁状態の時は、睡眠時間が極端に少ない状態でも疲れ知らずです。

思いつきのまま、欲求のままに行動しますので、普段はしないようなたくさんのお金を使って衝動買いをしたり、性的な行動に衝動的に走ることもあります。

躁状態が比較的軽いときは、意欲的で生き生きとしており、他の人からみても、好ましく見えます。

しかし、強度になるとブレーキの利かない状態になって暴走し、誰も止めることができなくなり、周囲に迷惑がかかります。

そのため、反社会的な行動も起こし、時には犯罪や巨額の借金など、大変なことになる場合もあります。

しかし、本人はいたって気分がハイなため、罪の意識はなく、まして他人がどう思っているか、他人のことなど眼中にありません。

自分が病気であるという意識もないので、病院に連れていこうとするのも周囲にかなりの努力が求められます。

こういう人は「自分は絶好調で入院なんか必要ない」と思っているので、まして、入院させて薬を飲ませるとなると、かなり大変な作業となります。

このように躁状態とは、軽度のうちはよいものかもしれませんが、強度になると、誰も手をつけられなくなる大変な状態なのです。

とはいえ、軽快したあとも、躁状態の人は人当たりがよくて人を惹きつける魅力のあるタイプが多いのも事実です。