認知症

頭の中の消しゴム

認知症の約60%はアルツハイマー型認知症、約30%は脳血管性認知症と言われています。

認知症の代表的な症状は記憶障害です。

年をとると誰でも物忘れが多くなりますが、認知症の忘れ方はスケールが違います。

通常の物忘れは体験の一部分だけが欠落しているのに対し、認知症の場合は体験そのものをすっかり忘れてしまいます。

たとえば、道で誰かに会ったときに、その人の名前を思い出せないということがあるかもしれません。

家に帰っても、その人の名前が思い出せず、気になって仕方ないかもしれません。

これが誰でも経験する通常の物忘れです。

しかし、認知症の人の場合、誰かに会ったとき、同じように名前を思い出せませんが、家に帰ると、誰かにあったことすら記憶からなくなっています。

誰かが認知症の人と同行していたとして、同行していた人がいくら述べても、誰かと会った事実さえ認めてはくれないのです。

こういった記憶障害のほかに、簡単な計算ができなくなる、文字が書けなくなる、判断力の低下、日時や季節を答えられない、自分のいる場所がどこかわからなくなるといった知能全体の低下が認知症の特徴です。

ですから、自分の家にいるにもかかわらず、自分が今いる居場所がどこなのかわからなくなり、「自分の家に帰る」と言って荷物をまとめだすこともあるのです。

一度家を出たっきり、自分の現在地が全く分からなくなるため、あてどなく歩きまわる徘徊や、夜中に興奮したり騒いだりするせん妄、お金や物を盗られたという妄想などの症状も人によりあらわれます。

老化が進めば、多くの人は自分がある程度、知能低下をしている事実を自覚しています。

しかし、認知症の人の場合は、忘れたことすら忘れてしまうので、日常生活や社会生活ができなくなってしまいます。

世話

周りの人はどのような接し方をすればよいでしょうか。

患者の言動…せん妄、妄想、徘徊…これらは、認知症ではない人には理解できないものです。

しかし、認知症の人の行動にはそれなりの理由がありますから、可能な範囲内で、制止するよりは話に耳を傾けたり、ともに行動したりしてあげるといった患者と一体になるような行動をしてあげると、患者も落ち着きやすいといわれています。

とはいえ、認知症の人の介護はとても一人では担いきれません。

関係者全員で負担分担する、介護施設の利用、医師などの助け、…これらに加えて、この病気そのものに対する理解を深め、介護する側の負担が大きくなりすぎないようにしましょう。

認知症に関する正しい知識の普及や理解の推進、認知症患者本人とその家族に対する支援や福祉に注意を向けることなどを目的に「認知症の人と家族の会」という支援機関が活動しています。

講演会や相談会、研究調査の発表など、認知症患者とその家族など、関わりのある人たちの力になってくれる会です。