摂食障害―過食症

本当はこわい過食症

摂食障害とは、飲食に関する障害で、極端に食べなくなる拒食症(神経性無食欲症)と、むちゃ食いをする過食症(神経性大食症)があります。

過食症として知られる摂食障害は、むちゃ食い(5,000カロリー以上になる大量の食物を短時間で摂取すること)をし、その後に排出行動(多くの場合、吐いたり下剤を使ったりして、胃を空にすること)をするのが特徴です。

過食症の診断基準

(1)むちゃ食いの繰り返し。むちゃ食いは以下の2点によって特徴付けられている。

・ある時間内に(たとえば1日のうち、何時でも2時間以内の間に)、ふつうの人が食べるよりも明らかに多い食べ物を食べる

・食べている間は食べることをコントロールできないという感覚がある。
(たとえば食べるのを止めることができない、あるいは食べ物の種類、食べる量をコントロールできない感じがする)

(2)体重の増加を防ぐために、自己誘発性嘔吐、下剤・利尿剤・浣腸またはその他の薬剤の誤った使用、絶食、または過剰な運動などの不適切な代償行動を繰り返す。

(3)むちゃ食いおよび不適切な代償行為動は、ともに平均して3ヶ月間にわたって週2回以上起こっている。

(4)自己評価は、体型や体重の影響を過剰に受けている。

(5)障害が起こるのは、神経性食欲不振症の期間中にのみ起こるものではない。

食べたい!

「食べたい」という欲求が抑えらず、4~5人分の食物を一気にたいらげてしまいます。「大食いの人」と「過食症の人」は違うので混同しないようにしなければなりません。

拒食症とは対照的に、過食症を見分けるのは容易なことではありません。この障害を持つ人は、特にやせているわけでもなく、少なくとも他人から見れば、その食習慣は極めて正常に思えるかもしれません。

拒食症のときと違い、食べてはならないのに「食べたい」という欲求が抑えきれず大量に食べてしまうので本人は苦悩します。過食症の人の生活は決して正常とは言えません。

実際,食物のことばかり考えているので、ほかのことや他の人のことはどうでもよくなってしまう可能性があります。友達と楽しく過ごす方法さえ実際に忘れてしまうかもしれないのです。

体重増加への必死の抵抗

際限なく食べれば、当然、体重は増加するはずですが、過食症の人はそれを必死で防ごうとします。

ですから、むちゃ食いをした後は、すぐに吐いたり下剤を使ったりして、食べたものが体脂肪に変わらないうちに、それを体外に出そうとします。

それは考えただけでも気分が悪くなるようなことかもしれませんが、当の経験者である過食症の人はそうは思わないようです。むちゃ食いと排出行動は、繰り返せば繰り返すほど簡単にできるようになります。

最初のうちは嫌悪感や恐れを感じますが、すぐに過食症のパターンを繰り返そうとする衝動を感じるようになります。

過食症の恐怖

過食症は極めて危険です。例えば、過食症の人が嘔吐によって排出行動を繰り返すと、逆流する胃酸で食道炎になり、口は腐食性のある胃酸にさらされ、歯のエナメル質は侵食される恐れがあります。

また、食道、肝臓、肺、心臓にも害が及びます。極端な場合は、嘔吐によって胃に裂傷ができたり、死に至ることさえあります。

下剤の使いすぎも危険です。そのために腸の働きが損なわれ、下痢がとまらなくなったり、直腸から出血したりすることがあるからです。嘔吐の繰り返しと同様に、下剤の乱用も極端な場合は死につながります。