摂食障害の患者層の広がりはテレビによる影響?

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摂食障害は、飲食に関する障害で、極端に食べなくなる拒食症(神経性無食欲症)と、むちゃ食いをする過食症(神経性大食症)があります。

患者層の広がり

かつては裕福な人に多く見られるものと考えられていましたが、今では人種、国、経済的水準に関係なく、どこにおいてもごく普通のものとみなされています。

基本的には10~20代の女性に圧倒的に多いですが、30代女性にも見られるようになりました。今は、摂食障害と診断される男性の数も増加しています。ですから、男性とも無縁ではありません。

そして、最近では、摂食障害の治療を受けている人たちの平均年齢がますます低下しています。10歳未満の少女たちにも見られるようになり、中にはまだ6歳という幼い女の子まで入院して治療を受けています。

このように、まだまだ幼い子供たちの患者数は少ないですが、徐々にそして、確実に増加しています。

患者の背景

摂食障害では、無力で弱い父親と過干渉な母親、そして両親の不仲の家庭環境下にその患者が多いと言われています。

憧れる大人、目標とする大人、役割モデルとなるような大人が見いだせないため、大人になることへの拒否感や、女性性を受容できないことも見られます。

社会的な背景には、「痩せていることが美」「太っている=価値が低い」とされており、そのような価値観にいつの間にか影響を受けて、体型を左右する食事に関して極端になってしまいます。

テレビによる影響

イギリスのインディペンデント紙が伝えるところによれば、「テレビと、若い女性に見られる摂食障害の諸症状との間には、かなり深い関連がある」とのことです。

米国ハーバード大学医学部のベッカー博士は、1995年にテレビがフィジーに入ってきて間もなく、同国の思春期の少女たちにインタビューを行ないました。

ベッカー博士は、テレビが「ボディーイメージや摂食異常の行動にかなりマイナスの影響を及ぼしてきたらしい」ことを突き止めました。

どういう意味でしょうか。本来フィジーの文化は、旺盛な食欲と大きめの体格を伝統的に奨励しています。しかし、テレビに出てくるほっそりした人物を見た後、多くの女子生徒は同じようになろうとしました。

例えば、テレビがフィジーに入ってくる前、体重をコントロールするために嘔吐した人は、調査の対象となった少女のうち一人もいませんでした。しかし3年後、11.3%がそうしたと報告されています。

また、女子生徒の69%がやせるためにダイエットをしたこと、また4分の3近くが自分は「大きすぎる、または太りすぎている」と感じていることが調査で分かりました。

こうした点からも、実際にテレビや雑誌など、自分が接触するものにはある程度の影響力があると考えられます。