アルツハイマー 腹の立つとき

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アルツハイマー病の人は間違ったことを言うことがよくあります。例えば、とうの昔に亡くなった親族が訪ねてくるはずだと言うかもしれません。

あるいは、幻覚を見る、つまり思いの中にしかないものを見るかもしれません。では、アルツハイマー病の人の間違った発言をいちいち正す必要があるでしょうか。

このように考えてみることができるかもしれません。親の中には、子供がある言葉を正確に発音しなかったり、文法を誤ったりすると正さずにはいられない人がいます。

その結果、子供は怒りっぽくなったり内気になったりし、自己表現をしようとしても抑えつけられるだけで報われないと感じます。

アルツハイマー病の人の場合も、絶えず誤りを指摘されるなら、同じことが生じるかもしれません。

子供たちが絶えず正されるといらいらするのであれば、大人の場合はなおさらです。患者は独立心と達成感を知る大人であることを忘れないでください。

誤りを指摘されてばかりいると、アルツハイマー病の人はいらいらするだけでなく、抑うつ的になることがあり、攻撃的になることさえあるでしょう。

相手に合わせる

時には、アルツハイマー病の人の幻覚が現実ではないことを納得させようとするよりも、それに同調しているかのように見せるのが最も愛あることかもしれません。

例えば、アルツハイマー病の人は、カーテンの後ろに野生動物や想像上の侵入者が「見える」ので動揺するかもしれません。

そのような時は論理的に話し合おうとしてはなりません。患者が思いの中で「見る」ものは、本人にとっては実在のものであるということを覚えておきましょう。

それで、その人が現に抱いている恐怖感を和らげてあげる必要があります。カーテンの後ろを調べて、こう言わなければならないかもしれません。「また姿が見えたら教えてください。一緒になんとかしましょう」

こちらが患者の見方に合わせて行動するなら、患者は恐怖の対象や恐怖感、それに思いの中に出て来る幻影に対して勝てるという気持ちを持つことができます。

介護者に頼れることを知っているからです。このように、アルツハイマーの人が事実と違うことを言ってもいちいち正す必要はないのです。

また、相手に合わせてあげるなら、アルツハイマーの人も落ち着いた感情をもつことができます。そして、介護する側もエネルギー消費を抑えることができるのです。