アルツハイマーの症状と薬

137_alzheimer10

アルツハイマーはまず、物忘れから始まります。

物忘れといっても日常の中で生じる誰にでもあるありきたりの物忘れではなく、自分が体験したこと自体を忘れてしまう通常では考えられないような程度の物忘れです。

たとえば、前日に結婚式に出席したのに、出席したことすら忘れてしまい、自分は呼ばれなかったと腹を立てるといった具合に、経験の一部ではなく、体験そのものを忘れてしまいます。

症状が進行していくと簡単な計算や判断ができなくなります。また、時間や場所の概念が失われ、自分が今どこにいるのか、現在は朝なのか夜なのかさえ分からなくなってしまいます。

最終的には家族の顔や言語すら分からなくなってしまいます。加えて、意味なく歩き回る徘徊、幻覚や興奮などを呈するせん妄状態などが伴うこともあります。

アルツハイマー型痴呆の初期の発見は困難で、進行しないと脳のレントゲンを撮影してもなかなかわかりません。

典型的な症状があっても「年のせい」にされ、病気がかなり進行してからはじめてわかるケースもあります。

病気の進行とともに知能の衰えが生じるのは仕方ないことですが、それをあざけったり、頭ごなしに叱ったりすると、逆効果で、病気の進行を早めたりする結果となります。

患者との感情の交流を大切にし、心のバランスをできるだけ崩さないよう尊厳をもって接することが大切なのです。

アルツハイマー病と薬

現在、アルツハイマー病に対して有効と思われる200ほどの治療法が試験段階にありますが、治療薬はまだ見つかっていません。

一部の薬剤については、アルツハイマー病の初期の段階でしばらくの間、記憶喪失を緩和したり、患者によっては病気の進行を遅らせたりすることが報告されています。

しかし、注意が必要です。それらの薬はすべての患者に効くというわけではなく、害になる薬もあるからです。

ただし、アルツハイマー病の症状としてよく現われるうつ状態、不安感、不眠などを治療するために他の薬物が使用されることはあります。

家族は、患者の医師と相談し、治療法の益と危険性を慎重に考量してから決定を下すことができます。