境界性パーソナリティ障害 見捨てられることへの恐怖

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私たちは子供の頃、母親がいないとすぐに泣きわめき、不安でたまらなくなった時期があったものです。境界性パーソナリティ障害の人が見せる反応は、まさに母親とはぐれて泣きわめく子供のようです。

見捨てられ、一人にされるのは、自分の存在を揺るがす耐え難い状態なのです。ですから、いつも見捨てられることへの不安におびえ、他人のちょっとした言動に敏感に反応したり、激しい不安を和らげるために様々な行動を起こしたりします。

相手との一体感で自分の存在を確認

私たちは、幼い子供の頃、たいてい母親と多くの時間を過ごし、完全に依存し、強くつながっていました。やがて成長し、母親から離れ、仲間とのつながりも通して、「確かな自分」を認識してゆきます。

境界性パーソナリティ障害の人の場合、これまでの過程のどこかにうまくいかなかった部分があり、この「確かな自分」が認識できていない状態です。

ですから、自分の存在を確認したいがために、母親や恋人など、身近な存在である対象への一体感を強く求めます。

一体感を求める気持ちがとても強いため、なりふりかまわぬ行動を起こすこともあります。しかし、現実問題はそう簡単にはゆきません。

相手は自分とは違う人間ですし、いつもいつも自分の期待どおりに反応してくれるわけではありませんから、ほとんどの場合、求めていた一体感は得られません。こうなると、見捨てられることへの不安が一気に噴出し、一人ぼっちになってしまうと恐れます。

見捨てられたという思いが生み出す感情は破壊的で、自分を見捨てた人への憎悪、見捨てられたことへの絶望、不安、孤立無援感、自暴自棄、無力感、空虚感などの反応が見られます。