引きこもりの高年齢化と長期化

引きこもり

ずっと家にいて、働くわけでもなく、外へ出かけてゆくわけでもない「引きこもり」。

年々、高年齢化、長期化していることが明らかになっています。

引きこもりの調査を行ったのは、徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部の境泉洋准教授(臨床コミュニティ心理学)らのグループです。

境准教授らは、これまで8年間にわたって、引きこもり当事者や家族に大規模調査を実施してきました。

今回の調査対象者のうち、協力が得られた回答者は、引きこもり本人82人と家族332人でした。

まず家族への調査によれば、引きこもり本人の平均年齢は31.61歳で、最年長は51歳。

男性が75.6%。2008年に調査したときの平均年齢30.12歳に比べると、約1.5歳上がっています。

引きこもりの高年齢化が進んでいます。

引きこもり期間も、平均10.21年で、最長は34年。

2008年の調査では、平均8.95年でした。

今回は10年を超えており、やはり長期化も進んでいます。

また、「就労経験(アルバイトを含む)がある」と答えた人は、181人。

全体の54.5%と高いようです。

これまでの引きこもりの不登校の延長というイメージと違い、半数以上が就労してから職場不適応を起こす、「新たな引きこもり層」であることが、このデータからもうかがえます。

一方、引きこもり本人への調査でも、平均年齢は29.09歳で、最年長が52歳。男性が76.8%を占めました。

東京都の2008年調査によると、引きこもりの71.4%が男性だそうです。

調査上の男女比は7:3で男性に引きこもりが多いと言われていますが、女性の場合は引きこもり状態に近くてもいわゆる「家事手伝い」などという名目で引きこもりにカウントされない場合もあります。

自分から行動しない人間はますます社会からほっておかれる状況なのでしょうか。

引きこもりの人の数は年々増加しています。

その背景には、引きこもりの人の中にも発達障害や職場不適応症、うつ病など、様々な心の病気を抱えた人がいるのです。