不安で眠れないとき

不安で眠れない

東日本大震災が起こってから、 不安で眠れないという悩みを持つ人が多くなったという報告があります。

私たちの生活している社会のなかでは大地震以外にも不安材料がたくさんあるため、 不安が原因で眠りが妨げられる人は少なくないかもしれません。

不安で眠れない場合どうしたらいいでしょうか。一般的に言われる、眠りのためによいとされることを織りまぜながらできることを考えてみます。

まず、大地震の後の不安で眠れないという場合、 震災後、2週間ぐらいまでの不眠は正常といえます。

なぜならそれは、「また強い地震が起こったらすぐに逃げなくてはならない」と、 脳も体も危険に備えてのことなのです。

むしろ自然な状態であり、あまり心配する必要はありません。むしろ心配なのは、2週間以上たっても不眠がなくならない場合です。

放っておくとどんどん不安感が強くなる、 震災の映像のフラッシュバックなど悪夢を見る、 昼間の集中力がかなり低下している、ひどくだるい、 体調を壊すという症状が現れ、状況はひどくなるかもしれません。

つらいと思ったら、ひとりで悩まずに医師に相談をしてください。周囲の人も診断を促してあげてください。不安で眠れないときには、 以下のようなことを試してみるといいかもしれません。

不安で眠れないときは

1 不安の原因に対して備える

地震への不安が強くて不眠が続く人は、不眠の原因がはっきりしています。ですから、不安の原因を和らげるためにできることをするのが助けになります。

たとえば、自宅から避難場所までや職場から自宅までの経路を確認する、食料や水などの非常用物品の備えをするといったことを行えます。

「備えあれば憂いなし」という言葉のとおり、不安を和らげるためにできることを、昼間にしておくのです。不安感が強いと行動力が鈍ります。そうなると、余計に何もできなくなって、夜になると「怖い」という不安に襲われます。

小さな備えでも、たとえカバンに携帯用の懐中電灯を入れておくだけでも、「自分で何か動くことができた」という安心感が夜の恐怖感を弱めることがあるのです。

2 友人や知人など、同じ不安感を持つ人と話をする

一人で考え込んでしまい、どつぼにはまることが一番よくありません。同じ境遇の人たちと話をすることでストレスを発散し、不安を解消することにもつながることがあります。聞いてくれる人に話すだけでも効果があるのです。

3 寝酒、寝タバコ、カフェインは厳禁

寝る前の大量のお酒、コーヒー・紅茶などのカフェイン、タバコなど刺激物は心地よい眠りの大敵です。お酒はたまに少量(ワインをグラスで2杯までなど)を飲むのであれば入眠を促しますが、大量に飲むと夜中や明け方に目が覚め、睡眠障害を起こしやすくなります。

4 就寝前の入眠儀式をつくる

毎晩、寝る前に決まった行動を習慣づけると睡眠が誘発されることが分かっています。歯磨き、洗顔、着替え、軽いストレッチ、トイレに行くなど、 単純作業をすることで脳に「眠りに入るよ」と働きかけることができます。これは意外に効果があります。

5 就寝前1~2時間はリラックスをする

軽いストレッチ、ヨガ、ピラティスなどをする、 ハーブティを飲む、消化吸収がよいホットミルクを飲む、 足湯・手湯をする、アロマなど香りを試す、お気に入りの音楽を聴く、 読書をするなどリラックスをする時間を設けましょう。

ただし、寝る直前までネットサーフィンやテレビ、 ビデオなどを見ていると光の刺激で脳が休まらず、 入眠の妨げになるので避けてください。

6 手足を温める

特に冷え性の人は、 手足が冷たいと血行が悪いのですから脳も体も休まらず、眠りにくくなります。就寝前に足湯や手湯をする、腹巻きや靴下、 手袋をするなど工夫して手足を温めると効果があるかもしれません。

7 毎日、同じ時刻に起床する

就寝も同じ時刻にするほうがいいのですが、 縛られた感じの生活ではストレスがたまってしまう人もいるでしょう。ですので、起床時刻だけは毎日同じ時刻にするよう心がけてください。

「2時間遅く寝たから2時間遅く起きる」では睡眠リズムが乱れて、改善が望めません。眠りにつけなかった翌朝も、休日であっても、いつもと同じ時刻に起床しましょう。

8 睡眠日誌をつける

睡眠日誌をつけるのは助けになるかもしれません。

日誌の内容は、たとえば、「眠る前の日中の状態」、「睡眠時間」、 「入眠までのおおよその時間」、「途中で目覚めた回数」、「目覚めの良さ」、 「寝る2時間前に飲酒やタバコ、コーヒーなどカフェインを摂取したか」などです。

まずは2週間~1カ月ほど記録します。記録をしていくうちに、もしかしたら、思い込みで不眠だと決めつけていたと気づく場合があります。また、医師に相談する場合に持参するという点でも役に立ちます。

9 寝室は別にするほうがよい

可能な限り、テレビやパソコン、 食べ物があるなど覚醒時に活動している部屋と寝室は分けてください。寝室に入ると、全身が睡眠に向かうことになります。

ワンルームマンションなどでそうもいかない場合は、 カーテンなどを使い、寝るスペースを区切るなど、 ちょっとした工夫をして寝るための環境をつくってください。

10 昼にウォーキングをする

ウォーキングを習慣にすると、自然な入眠を促すことがあります。歩数や、いつどのぐらい歩けばいいのかなどは気にせずに、 通勤や通学の時間を利用するなどして、 日光のもと1日20分以上を歩くことをお勧めします。