社会不安障害の回避行動

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「あの人たちはこう思っているに違いない」

社会不安障害を抱えた人が苦手な状況を回避しようとする前、 その心の中は「他人の目」を非常に気にしている状態になっています。

たとえば、発汗や震え・赤面などの身体症状が気になっていると、 心の中で「緊張しているのがまわりにばれてしまう、小心者と思われるに違いない、 変な人と思われるかもしれない」などと思い込み、不安になります。

何を話せばいいのかわからないという不安がある場合は、 心の中で「頭が悪い人と思われるのではないか」などと心配します。

上手にこなせる自信がないときは、心の中で、 「みんな、自分のことをバカにしているんだろうな」と決めてかかるかもしれません。

他人の評価が気になってしょうがない

このように、自分自身が抱えている症状よりも、 他人の目に自分がどう写っているかということを非常に気にします。自分の不安が見透かされることに強い恐れを持っています。

他人の目を気にするといっても、他人が「本当のところはどう思っているのか」確認せず、はっきり言われたわけでもないのに、自分に対して周囲の人がマイナスの評価をしていると思い込むところも特徴的です。

回避行動・思い込みもひどくなると妄想性障害や人格障害に

他人が自分に対してマイナスの評価をしていると思い込むというのは、 「…ではないだろうか」「…と思っているに違いない」「…かもしれない」などの形が多く、 「…」の部分には他人の自分に対する消極的な評価、マイナスの評価を表す言葉が入ります。(「嫌われているのかもしれない」、「いないほうがいいと思っているに違いない」など。)

ですから、他の人から物笑いの種にされたり、 ダメな人扱い、邪魔者扱い、変人扱いされるくらいならば、 そんな状況からは逃げ出してしまおうという心理が働きます。そして、それは回避行動へとつながってゆくのです。

他の人からマイナスの評価を受けていると思い込む傾向は、 人により程度の差がありますが、重度になると社会不安障害の域を超え、 妄想性障害や人格障害と診断される場合があります。

引きこもりやニート

回避行動が仕事や学校など入り込んでくると生活に支障がでるようになります。社会とのつながりがだんだんと弱くなり、取り残され、孤独感を強めてしまいかねません。

「ニート」や「ひきこもり」と呼ばれる人々の中には、 社会不安障害ゆえに社会に出て行けないという人もいるのではないかと考えられています。この「回避行動」は、いやな状況を避けていれば、当面の不安は軽くなります。

しかし皮肉なことに、状況を避け続けていると、その状況への直面がますます不安になります。短期的には不安の解消に役立つ回避行動も、長期的には拡大するという点で問題があるのです。