自傷行為・動機

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感情的な苦しみを和らげるために、あえて身体的な痛みを加えるのはなぜでしょうか。

例えで考えてみましょう。病院の診察室で注射をされるとき、その痛みを紛らわそうとして、自分の体をつねったり爪を立てたりすることはないでしょうか。

自傷行為の場合はもっと危険な方法が取られるとはいえ、ある意味でそれと似ています。自分の体を傷つけると、感情的な苦しみが紛れ、それから解放されたように感じます。

感情的な苦しみがあまりにもつらいので、身体的な痛みのほうが耐えやすいように思えるのです。自傷行為は「不安を和らげるための処置」のひとつなのです。

逃れるための手段

自傷行為についてよく知らない人には、それが理解不能な自殺行為に思えるかもしれません。しかし多くの場合、そうではありません。

一般的に言って、そのような人たちは苦しみを終わらせようとしているのであり、命を終わらせようとしているのではありません。

ですから、自傷行為は、自殺の手段というよりも「生き続けるための術」であり、「ストレスから逃れるための手段」なのです。

自傷行為を行なう人が逃れようとしているストレスの中には、子どものころに虐待を受けたことや親に放っておかれたことなど、何らかのトラウマを抱えている人が少なくありません。

家庭の不和や、親のアルコール依存症なども原因となります。精神障害が関係している場合もあります。自傷行為は強い自己嫌悪感の表われの場合もあります。

一時的なもの

自傷行為によって、感情的な苦しみから解放されたように感じるかもしれませんが、そのようにして得られる安心感は一時的なものにすぎません。

また問題が起きると、自傷行為をすることになるからです。一般に、自傷行為が習慣化してしまうと、それをやめたいと思っても、なかなかやめることができません。