心的外傷後ストレス障害(PTSD) 元少年兵のPTSD治療

233_ptsd4

「物語療法」が効果的

2011年8月、ウガンダの元少年兵たちが抱える心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療において、自分の体験を語ってもらうというセラピーが最も効果的だったとする研究成果が、米国医師会雑誌に掲載されました。

この研究では、PTSDと診断された12~25歳の元少年兵85人を3つのグループに分けます。3つのグループはそれぞれ違った処置を施されます。1つ目のグループには物語療法(ナラティブ・セラピー)を受けてもらいました。

これは、セラピストの助けのもと、これまでの体験を時系列で詳細に語ってもらい、トラウマの原因となった経験の断片的な記憶を再構築すると共に、その経験に慣れてもらうというものです。

2つ目のグループには元少年兵が勉強の遅れを取り戻し、学校に復帰できるよう学術的に開発された「キャッチアップ・クラス」を受けてもらました。

3つ目のグループには病院で治療を受けるための「順番待ちリスト」に名前を連ねてもらい、経過をみるというものです。

80%の軽減率

物語療法のグループでは、90~120分間のセッションを8回行った後、80%(25人中20人)でPTSDが軽減されました。

臨床的に有意な改善が見られたのは、キャッチアップグループでは48%、順番待ちグループでは50%にとどまりました。

1年後にPTSDと診断されなくなった確率は、物語療法のグループで68%、キャッチアップグループで52%、順番待ちグループで54%でした。

このように、自分のPTSDの原因となった出来事に勇気を持って向かい合うのはおそらく苦痛も伴うでしょうが、治療のためにも有効だということがわかりました。

学校に戻れるというプログラムも、やがては治療を受けられるという希望をもてる「順番待ちリスト」もそれぞれにある程度は有効でしたが、物語療法には数のうえで劣っています。