心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは

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心的外傷後ストレス障害・PTSD(Post-traumaticstressdisorder)とは災害や事故や犯罪の被害などの強烈かつ衝撃的な出来事に遭遇した場合、そのことがトラウマ(心の傷)となり、数週間から数ヶ月、時には数年後に出現する障害です。

ですから、必ず何らかの発症の誘因となった原因が存在するのがこの病気の特徴です。この病気に注意が向けられたのは1980年代、ベトナム戦争の帰還兵の精神障害が問題となったときです。

その後、事故や犯罪など、重い経験をした人たちにも同様の症状が現れることがわかりました。日本において当初はあまりなじみがありませんでしたが、1995年の阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)の後にこの障害が発症して注目を浴びました。

その後、新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震など、大きな地震被害の後にはPTSDが必ずといっていいほど発生してきました。

基本的には、このPTSDの発端となるのは、日常生活の中で私たちが普通に経験する事柄というより、非日常的な出来事です。もちろん、日常の中で生じる小さな出来事、人にはわかってもらえないようなことでPTSDが生じることもあります。

非日常的な出来事、それはたとえば、2011年に生じた東日本大震災のような大きな地震、火山の噴火、戦争、犯罪被害、爆発事故、拷問、火災、洪水、交通事故、虐待などの直接経験や目の前で目撃してしまうといった事柄です。

典型的な症状フラッシュバック・回避・覚醒亢進症状・全般的な反応の麻痺

よくある症状としては、「フラッシュバック」といって、これは、トラウマになっている出来事が繰り返し脳裏に浮かんでくることで、大変な苦痛を伴います。フラッシュバックはテレビを見ていて、ある映像をみたとたんに起きることもあれば、夢で見ることもあります。

他にある症状として、「回避」というものがあります。これは、フラッシュバックや苦痛を思い出すような状況を避けることです。たとえば、交通事故に遭った人が車に乗れなくなるといったようなことです。

また、覚醒亢進症状といって、安定した睡眠が困難となり、眠りが浅くて熟睡できない、悪夢にうなされる、ささいな物音にひどく驚いたり動悸がしたりするといった症状が出る場合もあります。

全般的な反応の麻痺とは、感情が麻痺してしまい、豊かな感情をもてず、自分の将来が考えられなかったり、心を閉ざして引きこもりがちになったりします。

発症しやすいのは?

遭遇した出来事が衝撃的であればあるほど、発症率が高くなります。

また、幼少期の強烈な体験といった過去にも外傷体験をしている人やストレスに弱い人、内向的・神経症的性格傾向(神経過敏、不安が強い、完全主義など)の性格の持ち主、子供や高齢者などが発症しやすいといわれています。

PTSDという病気の存在を知らず、苦悩を抱え込んでしまうと、かえって症状も悪化しやすく、回復までより多くの時間がかかってしまいます。

加えて、自ら進んで治療を受ける人はまれであると考えられます。ですから、周りの人たちがいかに早く気づき、行動に移せるかが大切です。

精神科や心療内科では、薬物療法、認知行動療法、集団療法など過去の実績とデータによりいくつかの治療法を試みることが可能ですので、悪夢はいつまでも続くわけではないのです。