適応障害の例 自分には直接関係なくても

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私たちは自分の問題ではなくても、家族や友人など親しい誰かの陥っている問題から強いストレスにさらされることがあります。

いつの間にかそれが適応障害を引き起こしてしまうことがあるようです。

親友の家庭の不和を見て―高橋さんの場合

高橋さんはもうすぐ30歳。現役バリバリのキャリアウーマンでした。仕事もプライベートも充実していましたが、ここ数ヶ月は疲れた表情をして元気がありません。

友人思いの高橋さんは、友人の田中さんのことでずっと悩んでいたのです。田中さんとは大学のサークルで出会った仲です。意気投合し、どこへ行くにもいつも一緒でした。

お互い社会人となってからも、週に1度は会って共に時間を過ごしたものです。そんな親友の田中さんが結婚したのは昨年のことです。結婚式のスピーチまでさせてもらい、喜びもひとしおでした。

比較的若い夫婦にはよくあることですが、結婚して2年たたないうちに田中さんの夫の浮気が発覚します。

しばらく前から、夫婦関係がよくないと相談をもちかけられ、高橋さんが心配していた矢先でした。友人思いの高橋さんは、親友の田中さんの痛みがまるで自分のことのように感じ、心休まる日がありません。

直接会う、電話、メール…相談は数十回に及びます。親友の田中さんも相談できる相手がほとんどいないのです。

高橋さんは仕事で疲れていても、時間をとって聞いてあげますが、気づけば食事をとってないこともありました。

親友のことでもあり、自前の心優しさも手伝って、自分のことのように感じられ、それがストレスとなり、苦しみました。

かといって、人の家庭のことに足を踏み込めるわけでもなく、話を聞いてあげ、一緒に泣いてあげることしかできません。

楽しかった日々は過去のことのように思え、仕事にさえ身が入らなくなりました。「なんとかしてあげたい」…家にいてもそのことばかり考え、出口のない問題の前に落ち込むばかりです。

また明日から一週間が始まりますが、とても仕事をする気にはなりません。周囲に迷惑をかけますが、1日だけ欠勤しようかどうか悩む高橋さんの姿はやつれて見えました。

一線を引く

高橋さんの場合、心優しい友人思いゆえに苦しみました。自分の生活と切り離して一線が引ければよかったのですが、それに気づかず、いつしかずるずると問題に巻き込まれてゆきました。

エネルギーの配分も大切です。どこかで一線を引かなければなりません。自分の生活に必要な分はきちんととっておかなければなりません。

高橋さんの場合もストレスの原因となるものがはっきりしており、それがなくなれば高橋さんも以前のように充実した日々が戻ってくることでしょう。