適応障害 依存や乱用に陥る

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適応障害がもたらす深刻な問題のひとつに物質の依存症と乱用があります。乱用される物質の代表的なものはアルコールと薬物です。薬物には、抗うつ薬などの向精神薬と覚醒剤などの違法薬物があります。

アルコール

アルコールはたいていの場合、飲むと良い気分になります。落ち込んだ気分を忘れる、ストレスを紛らわそうとするためにアルコールに頼ることがあります。

飲酒時には良い気分になりますが、一時的なものです。アルコールには依存症という問題があります。つらいことを忘れるためにいつも飲酒していると、やがてアルコールなしではやれなくなります。

重症化してアルコール依存症になると、常に一定濃度のアルコールを体内に維持することを欲します。飲む量と飲む時間をコントロールできなくなり、連続して飲酒するようになります。

仕事や家事や学業、その他のことよりも飲酒を優先するようになり、家族や健康、社会的地位など、多くの貴重なものを失うケースが後を絶ちません。

向精神薬

向精神薬とは、心や脳に作用する薬を指します。抗不安薬や精神安定剤など、情緒を安定させる、不安やうつを軽減させる作用があります。

向精神薬は、飲むとマイナスのブルーな気分から開放されるため、さらに「良い」気分になろうとするあまり、必要以上に服用してしまうことがあります。

飲む量を自己判断で勝手に増やすのはよくありません。どんな薬にも言えることですが、どんどん耐性ができてしまい、薬の量を増やさないと効かなくなる依存症になってしまうからです。

かつて、物質依存の怖い一面として、睡眠薬の大量服用による自殺がありました。しかし、現在ではこの分野で改善が見られるようになりました。

今の睡眠薬(睡眠導入剤)には十分に強い催眠効果がありますが、たくさん飲んでも長く眠るだけで、死ぬ危険はほとんどありません。

違法薬物

覚せい剤、麻薬(コカイン、ヘロイン、LSD、MDMAなど)の使用はおろか、所持しているだけで違法になります。

有機溶剤(シンナーなど)は仕事上必要な場合もありますから、所持は違法ではありませんが、吸引のために用いるならそれは目的から外れた「乱用」です。

この手の薬物は依存しやすく、一度の使用が命取りになることがあります。治療は困難で、一度異常に陥ると失われた神経系は二度と元に戻りません。心身ともにボロボロになり、人生を大きく変えてしまう恐ろしいものです。

治療

こうした問題に陥っているとき、多くの場合、当の本人は自分が物質乱用のわなに陥っているということを認めようとしません。

それに伴い、治療も受けようとしないので症状がどんどん悪化してゆきます。ですから、家族や周囲の人の注意が必要です。場合によっては、入院治療も辞さない覚悟が必要になります。