こってりした食品が悲しみを和らげる

ラーメン

あまり知られていないかもしれませんが、オリーブ油には傷を和らげ、痛みを軽くする効果があります。

薬用になるので、昔から打ち身やけがの痛みを和らげるのに使用されてきました。しかし、通常の食品としての油に悲しみを和らげる効果があるかもしれないとの報告があります。

数年前になりますが、2011年8月、ベルギー・Leuven大学のLukasVanOudenhove博士率いるチームが実験を行いました。

まず、胃に脂肪分が注入された際の感情の動きについて、MRIスキャンを使って測定しました。そして、12人の被験者たちに悲しげな音楽と映像を与えた上で脳波をスキャンしました。

その後、脂肪酸あるいは生理食塩水を被験者たちの胃に注入しました。ただし、注入した際には被験者たちにその内容は伝えられませんでした。

そのため、被験者が注入物とこれまで食べてきた同成分の食べ物を連想し、そのことが知覚に影響することはありませんでした。

調査の結果、悲しい音楽や映像は被験者全員の気分を落ち込ませましたが、脂肪酸を注入された被験者の方が、生理食塩水を注入された被験者よりも落ち込みの度合いが50%低いという結果が出たそうです。

Oudenhove博士はこの結果を受けて、「たとえ意識して食べているわけではなくても、脂肪を摂取すると悲しみの感情にとらわれにくくなるようです」と語っています。

とりすぎに注意しつつも…

今回の実験から、あぶらっこい物や甘い物を食べる楽しみを抜きにして、単に胃に脂肪分を注入するだけでも、人の感情をコントロールできる可能性があることが分かりました。腸で吸収した栄養が何らかの形で脳に作用しているものと思われます。

過食症などに見られるように、ストレスの高い環境下で過食に走ってしまうことは、脂肪に気持ちを安らげる効果があるという今回の結果とも一致します。

研究グループは、今回得られた発見は、うつ病や肥満、摂食障害に苦しむ人々にとって重要な意味を持つものとなる可能性があるととらえています。

ただ、残念なことに、今回発表された実験では被験者の数が少なすぎるため、さまざまな被験者を募り、引き続き研究を行う必要がありそうです。

個人差はあるものの、食事をすると気持ちが落ち着き、中でも甘い物や脂っこいものであるほど満足度が高く、食べた時によい気分になるという人も多いのではないでしょうか。

何事も度を過ぎるとよくありませんから、食べ過ぎは禁物ですが、悲しみが深い時にはこってりしたものがいいのかもしれません。