お金がなくて実家から出れない苦しみ

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檻のない「牢獄」と化した実家(2015年2月4日yahooニュースより)

NPO法人ほっとプラス代表理事、社会福祉士藤田孝典さんが執筆した記事がとても興味深ったので取り上げてみたいと思います。

記事の内容を簡単にまとめると、「お金がない人たちが自立できずにいつまでも実家から出ることができない」というものです。

このような問題に対する日本の社会福祉制度は整っておらず、助けが必要な人たちがたくさん存在しているのが現実です。

このような窮状に陥っている人たちにはいくつかの共通点があります。

①低所得であればあるほど、親と同居している

②学歴が関係ない

③学齢期のいじめや不登校などの経験を有する人が多い

④自立できない約3割の人がうつ病などの精神疾患を抱えている

低所得

「給料が低いゆえに自立できない」

これは察しがつく問題だと思います。住まいを賃貸するのに、家賃の数ヶ月分は必要ですし、敷金礼金ゼロを謳っている物件でも解約するときに同じように家賃数ヶ月分のお金を請求されます。

賃貸できたとしても、毎月の支払いが待っています。家賃、光熱費、通信料、食費…これらを自分で払っていかなければなりません。自宅にいれば、これらは親が払ってくれる場合がほとんどでしょう。

こうしたことを考えたときに、自宅にとどまること以外に選択肢がなくなってしまうのです。

学歴が関係ない

興味深いのは、経済的に自立できない人たちに学歴が関係ないということです。「大学に行けばいい仕事に就ける」というのは昔のことになりました。今では、大卒といえど、低所得、無職ゆえに自宅からの自立ができない人たちがたくさんいます。

学齢期のいじめや不登校などの経験を有する人が多い

学齢期や幼少期にいじめや不登校などの経験をすると、根深くその傷跡が人生に突き刺さり、まさに自立を阻害する要因として、後々にまで影響を及ぼすようです。いじめた人はそのときだけかもしれませんが、いじめられた側はずっとその影響に苦しむわけです。

約3割の若者がうつ病などの精神疾患を抱えている

自宅から自立できない人の約3割がうつ病などの精神疾患を抱えていることも明らかになったようです。自立できないというのは自尊心を奪います。

親から「出て行け」と言われたり、「いつまで実家にいるの?」と友だちから低評価を受けたりしがちで、人間らしく胸を張って生きるのを難しくしています。

もともとうつ病などの精神疾患を抱えているゆえに自立が困難なケースや、自立できないゆえにうつ病などの精神疾患を抱えてしまうこともあるでしょう。こうした状況は、「家から出て自立する」について考える余裕さえなくしてしまいます。

親のサポート

親のサポートなしでは容易に貧困に陥ってしまう人たちがたくさんいるということをこの記事は伝えています。親も人間ですから、いつまでも元気ではありません。親がいなくなった後の生活を考えるとき、何らかのサポートが必要なのです。

NPO法人ほっとプラス

この記事をお書きになった藤田孝典さんは「NPO法人ほっとプラス」にて活動しています。NPO法人ほっとプラスはこんな活動をしているそうです。

  • 埼玉県で、年間300名の生活困窮者の相談を受け付けている。
  • ホームレスの人をはじめ、自殺をしようとしている人、虐待を受けている人、刑務所を出所したばかりの人、売春を強いられている人など、様々な境遇の人を相手に活動している。
  • 活動内容としては、生活保護受給の申請支援やその他の届け出の支援、さらに就労支援・自立支援、そして家を失ったり、失う恐れのある方を対象に、アパート探し、シェルター経営によって一時的な住居提供をしている。

とても評価できる活動だと思います。誰からも理解されない、関心を払ってもらえない、孤独、こうした問題にはいつも苦しみがつきものです。まだまだ福祉厚生が貧弱な日本において、このような理解ある個人、団体がもっと増えてくることを希望しています。