カレーを食べてPTSDと戦う

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世の中にPTSDによって苦しめられている人は大勢います。実際に経験した、もしくは見聞きした不快・衝撃的な経験が記憶され、甦るたびに苦しめられます。

アメリカ、ニューヨーク市立大学の研究グループによると、カレーに含まれるスパイスのひとつ「ウコン」(英語名:ターメリック)には人間の脳にある「嫌な記憶」を消す効果があると報告されています。

中でも、ウコンの主成分「クルクミン」の果たす役割ということで注目されています。研究グループは、マウスを用いて実験調査を行いました。

実験では、まず特定の音を聞くと怖がるようマウスを訓練します。その音を聞くとマウスは恐怖体験を思い出し、怖がって動けなくなります。

このマウスたちを2つのグループに分け、片方のグループにはクルクミンをたくさん含んだエサを与えます。もう一方のグループにはクルクミンが入っていないエサを与えます。

クルクミンをたくさん食べたマウスと、クルクミンを全然食べなかったマウスにはどのような違いができるのでしょうか。

クルクミンで嫌な記憶を消去

結果は、クルクミンを食べなかったマウスは恐怖の音を聞いた時に今までと同様、怖がり、動けなくなりました。

それとは対照的に、クルクミンをたくさん食べたマウスは恐怖を思い出させる音を聞いても怖がらず、動き回っていたということです。

この実験結果から、ウコンの主成分「クルクミン」が記憶される嫌な記憶を忘れる助けになるということがわかりました。

忘れさせてくれる助けになるだけでなく、思い出したときに心に焼き付いてしまわないように抑制することにより思い出すつらさを軽減することができるそうです。嫌な記憶は脳にこびりついてしまうと、長期にわたって私たちを苦しめます。

研究チームによると、クルクミンの効果を利用することにより、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の改善の一助になるのではないかと指摘されています。

嫌な記憶は誰も思い出したくないものですが、ふとした拍子に急によみがえるものです。忘れたい記憶を私たちが選んで消去できるわけではありません。

ですから、クルクミンの効果により、思い出させないよう、忘れさせるよう助けるというのはすごいことです。二度と思い出すこともなく過ごせたら生活は大きく改善されます。

それが手にはいらないような高価なものではなく、私たちが日ごろから食しているカレーに含まれているというのですからなんともありがたいことではないでしょうか。

ただ、今回の実験で用いたクルクミンの量は、体重1キロのマウスに対し、1グラム与えるという割合でした。体重50キロの人ならば、50グラムの摂取が必要になります。クルクミンはウコンの3%を占める成分です。

カレー粉に含まれるウコンの割合は20~30%と言われていますから、通常のカレーでとれるクルクミンの量は少量です。

ただし、クルクミンの効果は長時間続くと言われていますから、カレーを食べる頻度を少し増やすだけでもかすかな変化があるかもしれません。身近に取ることができるのでその効果と今後の研究に期待したいところです。