適応障害の原因 喪失体験

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適応障害の原因は一言で表現するなら「ストレス」ですが、そのストレスを引き起こす大きな要因のひとつに「喪失体験」があります。

喪失体験とは愛する人の死だったり、ペットが亡くなったり、健康や友情や恋愛を無くしてしまうことです。それまでの自分の世界が大きく崩れてしまうので、多くの人が喪失体験に多大のストレスを感じます。

では、私たちの日常生活の中で経験するかもしれないどんなことがストレスが強いのでしょうか。下記の表にはどんな事柄がストレスが強いのか描かれています。

ストレスの大きさ(ホームズの社会的再適応評価尺度による)

出来事 ストレスの大きさ
配偶者の死 100
離婚 73
夫婦別居 65
親族の死 63
自分のケガや病気 53
結婚 50
失業(解雇) 47
家族の病気 44
妊娠 40
経済状態変化 38
親友の死 37
子供の巣立ち 29
入学・卒業 26
上司とのトラブル 23
転校 20
睡眠習慣変化 16
休暇 13

死別や病気は大きなストレスとなる

上記のように、喪失体験は大きなストレスを引き起こします。特に重大なのは死別や病気です。他の出来事と比べて配偶者が関係する喪失体験がいかに大きなストレスをもたらすかを表しています。

基本的に適応障害は原因となるストレスがはっきりと存在してから、社会活動に著しく障害をもたらすような強い苦痛の症状が3ヶ月以内に出現すれば正式に診断が下ります。

しかし、死別の悲しみはストレスがあまりにも大きいので健康な人でも長期間苦しめられることがあります。

ですから、死別がストレスの原因となって適応障害が疑われる場合、健康な人でも見られる苦しみと混同しないために、次のような基準があります。

死別から少なくとも1年以上尋常でない悲嘆が続いているならば、適応障害と診断されます。適応障害は原因となるストレスのもとがなくなれば6ヶ月以内に回復すると言われています。

しかし、死別がストレスの原因となっている場合、悲しみが続く時間や程度には個人差があります。

死別の悲しみはずっと何年も続く場合があり、「原因となるストレスがなくなる」というような「ものさし」で簡単に測ることができないのです。

健康を失うということ

生命に関わるような重大な病気にかかった場合も私たちにとって大きなストレスとなります。治療や後遺症などのために多くのものをあきらめなければなりません。特にガン患者や、腎疾患による透析患者に抑うつ症状がよく見られるようです。

ガン

ガンの宣告はある日突然やってきます。健康診断でガンの疑いありと言われるだけでもかなりのストレスとなります。

精密検査、診断結果、ガンの宣告、入院、治療、痛み、再発など、経験した人ならばよく分かるストレスのもとが存在します。理解できることですが、特に再発したときに適応障害やうつ病を発症する人が多く見られます。

透析

腎疾患がもたらす透析も様々なうつ症状を発します。どんなに頑張って治療したとしても、透析が生きている限り続くものだという現実も大変な重荷となります。

針刺しのつらさや食事制限などが死ぬまで続くと思うと慢性的なストレスを抱え、うつ症状になるのも理解できることです。

私たちのだれもが愛する人を亡くしたり、ある日突然、重大な病気になったりする可能性があります。自分がうまく順応して対処できると言い切れる人は誰もいません。

ですから、適応障害はいつ、だれがなったとしてもおかしくない病気のひとつなのです。