適応障害を発症しやすい人には「ストレス耐性が弱い」という面があります。ストレス耐性はストレスに直面したときにどれだけ対応できるかということで、それには個人差があり、ひとりひとり違います。
人はストレスに直面したとき、どのように反応するか
人はストレスに直面したとき、どのように反応するのでしょうか。アメリカの心理学者ラザルスはその反応の仕方を8つに分類しています。あなたは次の8つのストレス反応のうち、どれに最も近いタイプでしょうか。
1.計画型
慎重に考えたり、熟慮したりします。性急に判断することなく、慎重に考え、問題解決のために計画的に動きます。
2.対決型
自己信頼感が強いので失敗を恐れず、自信をもって問題に積極的に対処しようとします。
3.社会的支援型
自分の力だけで対処しようとせず、他者を信頼して相談したり、助けを求めようとします。
4.責任受容型
ストレスの多い状況下で、自分自身のすべきことや自分の役割を強く認識し、それに基づいて物事を調整してゆきます。
5.自己コントロール型
自分の感情・行動を制御しようとし、自分の内で対処しようとします。
6.逃避型
問題解決の意欲を失ってやけになったり、現実逃避したり、問題を他人のせいにしたりします。とにかく問題から逃げようとします。
7.離隔型
自分と起きている出来事の間を切り離して考えないようにします。このタイプはとにかく問題について趣味やアルコールなどで忘れようとします。
8.肯定価値型
何事も経験重視で、つらいこともいつかは自分のプラスになるというポジティブな思考で乗り切ろうとします。問題の真っ只中で自己発見や自己啓発、自己改革などの意義を見出そうとします。
いかがだったでしょうか。あなたはこの中でどれに最も近いタイプでしたか。
適応障害になりやすいのは
この中で適応障害になりやすいタイプとなりにくいタイプがあります。適応障害になりやすいのは、ストレス耐性が弱い「6.逃避型」です。
とにかく問題から逃げようとする思考の型の持ち主に対して適応障害はしつこく追いかけてくるようです。
では逆に、適応障害になりにくいのはどのタイプでしょうか。それは、「1.計画性」と「8.肯定価値型 」といわれています。
感情的にならず、理性的に問題解決のために計画するタイプと、とにかく自分のプラスになるというポジティブ思考の持ち主から適応障害は遠ざかってゆくようです。私たちはだれでもストレスの多い時代に生活していますから、何らかのストレスを経験します。
強いストレスをもたらすような問題から逃げたくなるのも理解できることですが、逃げてばかりいるとそういう思考の型が身についてしまい、やがてそういう人間になってしまいます。
一つの問題が終わっても、いつかはまた違った問題がやってきますから、ストレス耐性が強い人間になっておきたいものです。
自分自身がストレスに対してどのように反応するタイプの人間なのか把握しておくことにより、適応障害のわなに陥らないよう十分な対処ができるので、時々振りかえって考えてみるのはよいことです。