適応障害の精神療法

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適応障害の治療は、カウンセリングなどの精神療法と薬物療法を行います。 ひとりひとりの状況に合わせて、家族療法や集団療法なども用います。

適応障害を治すために、精神科や心療内科、メンタルクリニックなどを訪れ、専門医による診断を受けます。そこで行われる専門医による問診も精神療法のひとつと言えます。

患者の話をよく聞き、どのようなストレスの原因があるのか、どんなことがつらいのか、どうなりたいのかといったよく話を聞いてくれる医師はいつでも患者の精神面での支えとなります。

患者の話を聞いてゆく中で、これからの治療方針を医師は決定してゆきます。

どのような精神療法があるか

治療に用いられる精神療法の種類はいくつかあります。たとえば、以下に挙げるような療法があります。

家族療法

これは患者本人に加え、家族も含めて治療に参加してもらうという方法です。この治療は、患者を取り巻く家族関係や家族全体を対象として行うカウンセリングです。

そして、家族とともに問題解決をしたり、家族自身の力で問題解決していくことを援助するための方法です。

患者の治療のために家族が協力するというスタンスもあれば、患者だけでなく家族全体が病んでいる場合に家族まとめて治療に含めるといったスタンスもあります。 家族の協力が求められますが、家族は最も強い影響を与える根本的なの人間関係なので、ここの治療は重要です。

集団療法

これは、同じような体験をして同じようにストレスをかかえて適応障害に陥っている患者同士を集めて治療するものです。同じようなストレスを抱えているということで、お互いに共感や同情を抱きやすくなります。

仲間がいるという連帯感は孤独や疎外感を防ぐ役目もあり、患者の適性に合えば良い効果を発する治療法です。

自己主張訓練・アサーショントレーニング

適応障害に陥る人の多くはストレスをためこんでしまうタイプの人です。

相手に嫌なことを言われたり、叱られたりしたときに、言い分があっても言い返さない人、 助けが必要なときに周囲にSOSを伝えることができない人 、相手に合わせすぎて自分を封印してしまう人のためにこの自己主張訓練があります。

私たちはいつも相手に合わせて自分を抑えてばかりいると疲れてしまいます。

必要な自己主張、つまり、断るべき時には断る、助けが必要なときには助けをしっかり求める、要望をはっきりと伝える、反論すべき時はきちんと自分の意見を述べる、といったことができるような方向付けの治療です。

もちろん、必要な自己主張と攻撃的な自己主張や不十分な自己主張との違いも知ることができます。最近では、「アサーショントレーニング」とも呼ばれているこの治療法の有効性が注目されています。

腹式呼吸と筋弛緩法

いつも強いストレスを抱えていると身体はこわばり、呼吸は気づかないうちに浅くなることがわかっています。ですから、リラクゼーションでは、身体をリラックスさせるよう患者を促します。

浅い呼吸から深い呼吸へのくせをつけるために、お腹いっぱいに空気を吸い込む腹式呼吸法が用いられます。

腹式呼吸は誰にでもできる簡単なもので、胸ではなく、お腹のおへその下あたりを意識して空気を鼻から目一杯吸い込み、ゆっくりと吸った空気を吐き出すという方法です。

全身の緊張をほぐす方法として、筋弛緩法(きんしかんほう)があります。これも誰にでもできる簡単なもので、衣服やベルトや時計などをゆるめて、仰向けに寝るだけです。

全身の力を抜くようにして、ゆっくりと深呼吸し、リラックスするのが目的です。