「梅毒」 最終的に脳がやられる

baido

梅毒は代表的な性病で、病気の経過により1期から4期に分けられます。最終的には中枢神経が梅毒トレポネーマによっておかされます。これを神経梅毒と呼びます。

第1期

第1期には、トレポネーマが侵入した部位(陰茎、外陰部、腟など)の感染位置に痛みのない「下疳」と呼ばれるびらんや潰瘍(かいよう)ができます。この段階では、女性の約半数、男性では3人に1人は感染に気づかないといわれています。

第2期

第2期になると梅毒は全身性の病気となり、発熱、疲労感、食欲不振、体重減少などがみられます。

約80%以上の患者に潰瘍性口内炎、約50%の患者に全身のリンパ節の腫れ、約10%の患者に眼の炎症が起こるといわれます。

眼の炎症は症状がないことが多いですが、視神経が腫れて、視力障害が起こることもあります。

また、患者の約10%に痛みを伴う関節炎や骨の炎症がみられます。肝臓の炎症から黄疸(おうだん)が現れることもあります。

少数の患者に急性梅毒性髄膜炎が起こり、頭痛、首のこわばり、ときに難聴がみられることもあります。

第3期

第3期(感染後3-10年の状態)では、「ゴム腫」と呼ばれるこぶ状の隆起が皮膚やさまざまな器官にでき、少しずつ大きくなり、やがて治癒し、傷あと(瘢痕[はんこん])を残します。

ゴム腫はほとんど体中どこにでもできますが、頭皮、顔面、上半身の胴体、膝(ひざ)から下の脚などに多くみられます。骨にできると、深く突き刺すような痛みが起こり、夜になると悪化します。

第4期

症状が進行して第4期に入ると(梅毒感染後、約10~15年後)全患者に対し、約5~10%の割合で進行麻痺と呼ばれる症状があらわれます。

進行麻痺の症状としては、物事を理解・判断する能力、記憶力の低下、計算力の損失などの知能の衰えが観察されます。

加えて、怒りっぽくなる、不安を訴えるなどの感情の障害があらわれ、最終的には人格が崩壊し、高度の痴呆状態になります。

身体症状としては、舌がもつれるなどの言語障害があらわれたり、瞳孔が小さくなったりします。

しかし、最近では、治療法が進んだおかげで、この第3期・4期にまで至るケースはほとんど見られなくなりました。