中毒による精神障害

一酸化炭素中毒

一酸化炭素中毒

世の中には中枢神経に障害を与えるような物質の中毒によって起きる精神障害があります。

その多くは職業環境に関係したものです。

主なものとしては、一酸化炭素中毒、有機水銀中毒、鉛中毒、有機リン中毒、アルコール中毒、薬物依存症などがあげられます。

(1)一酸化炭素中毒

家庭台所でのガス事故、ガス自殺、ガス工事での事故などで起こります。症状としては、頭痛、めまい、嘔吐、意識がもうろうとし、こん睡状態に陥ります。

すぐに新鮮な空気を吸い込む場所に移動して酸素吸入を行わないと命にかかわることになります。

回復しても、程度により、神経衰弱状態や記憶の喪失、知能障害、人格障害といった後遺症が残る場合があります。

(2)有機水銀中毒

メチル水銀による中毒で、昭和30年頃に熊本県水俣湾で起きた水銀中毒、いわゆる「水俣病」がこれにあたります。

工場から排出された水銀が魚介類に蓄積され、それを食べた住民が中毒を起こしました。

大脳皮質と小脳皮質が破壊されるために言語・視覚・聴覚障害、意識障害、性格障害、知能障害などさまざまな神経症状、精神症状があらわれます。

(3)鉛中毒

鉛中毒の中でも自動車の排気ガスの中に含まれる四エチル鉛中毒が最も問題になります。

症状としては、神経衰弱症状、せん妄などが中心で、時には幻覚、妄想、躁うつ状態などもあらわれることもあります。

(4)有機リン中毒

有機リン中毒の中でも最も代表的なのは、農薬や殺虫剤などに含まれる「パラチオン」という物質です。

自殺目的や誤飲による中毒が相次いだため、現在では生産中止になっています。

主な症状は頭痛や食欲不振などで、重症のときには昏睡、けいれんを起こします。

その他、クロロホルム、メチルアルコール、シンナー、マンガン、ヒ素中毒などもあります。