脳以外の病気が原因で起こる精神障害 「症状精神病」甲状腺機能亢進症や貧血など

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脳以外の病気が原因で起こる精神障害を「症状精神病」といいますが、ここでは身体に生じる病気のうち、内分泌疾患、血液疾患にかかわる精神疾患を取り上げます。

内分泌系疾患で起こる精神障害

私たちの体の体液や血液にはさまざまなホルモンが分泌されています。その分泌されているホルモンは血液を通じて必要な臓器に運ばれ、重要な役割を果たします。

これらホルモンのシステムを「内分泌系」といい、ホルモンを分泌する脳の視床下部や下垂体、甲状腺、副甲状腺、すい臓や副腎皮質、精巣や卵巣などは「内分泌線」とよばれます。

○甲状腺

甲状腺機能が亢進してしまう「甲状腺機能亢進症」では、落ち着きがなくなり、注意散漫、不安感や躁うつ状態、不眠、せん妄、幻覚などが起きる場合があります。

逆に甲状腺の機能が低下する甲状腺機能低下症では、周囲への無関心、せん妄、幻覚などがみられる場合があります。

○下垂体

下垂体の機能が亢進しておきる「巨人症」では、精神活動が低下したり、無気力、知能低下などがあります。

逆に下垂体の機能が低下する汎下垂体機能低下症では、神経衰弱状態、無気力、抑うつ、不眠、幻覚、意識障害などがみられます。

○副腎皮質

副腎皮質の機能が亢進する「クッシング症候群」では、躁うつ状態がみられ、逆に副腎皮質機能低下症では、無気力で周囲に無関心な精神状態や抑うつなどがみられます。

副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)の投与によっておこる不安、躁うつ状態、意識障害などの副作用もあります。

○性腺

女性の生殖機能に関係する変化、月経、妊娠、出産、授乳、更年期などに伴い、精神障害が発生する場合があります。

中でも「産後うつ病」は顕著なもので、第一子出産後、一カ月以内におこる場合が多いです。うつ、躁状態、幻覚、妄想、意識錯乱などがあげられます。

血液疾患による精神障害

貧血の場合、精神衰弱状態や抑うつがみられることがあります。貧血がひどくなると、せん妄があらわれます。赤血球が異常に増加する「多血症」では、不眠、不安、抑うつ状態、せん妄、記憶障害などが生じる場合があります。