アルツハイマー病とは

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米人気映画「刑事コロンボ」で知られる、米俳優ピーター・フォークさんが2011年6月、ロサンゼルス近郊ビバリーヒルズの自宅で83歳の生涯を閉じました。

フォークさんは、2008年からアルツハイマー症候群で闘病生活を送っていました。

コミカルなキャラクターと裏腹の鋭い推理で、犯人を追い詰める「刑事コロンボ」を2003年まで演じ、エミー賞を4度受賞した名優でした。

フォークさんは2008年に患ったアルツハイマー症候群が進行し、自身がコロンボを演じたことも忘れてしまっていたといいます。

アルツハイマー病は、重度の痴呆症にかかっていた患者の死体解剖を行ない、1906年に初めてこの病気を報告したドイツの医師アロイス・アルツハイマーの名にちなんで命名されました。

痴呆症の60%余りはアルツハイマー病であると言われており、65歳以上の人の10人に一人が影響を受けます。アルツハイマーの症状のひとつに「うつ状態」が挙げられます。

別の種類の痴呆症である多発梗塞性痴呆は、脳を損傷する幾つもの小さな脳卒中によって起きます。

アルツハイマー病にかかると脳細胞が徐々に破壊されてゆき、脳の一部が文字通り萎縮します。最も冒されるのは記憶や思考力にかかわるところです。

あらわれる症状

アルツハイマー病の初期の段階で感情に関係する脳組織の細胞が影響を受けるため、人格が変化します。

脳の他の部分はすぐには影響を受けません。その中には、視力や触覚にかかわる部分や、筋肉の動きを統括する運動野が含まれます。

こうした変化のせいで、歩いたり、話したり、食べたりすることはできますが、周囲の出来事は分からないという典型的かつ悲惨な状態が生じるのです。

この病気は一般に5年ないし10年続きますが、時には20年余り続くこともあります。病気が進行するにつれ、患者は徐々に物事が行なえなくなります。最終的には、自分の家族さえ分からなくなるかもしれません。

末期になると、寝たきりになり、話せなくなったり、自分で物を食べることができなくなったりします。しかし、多くの患者はこのような末期の段階に至る前に、他の原因で亡くなります。

アルツハイマー病は発病しても身体的な痛みを伴いませんが、それによってもたらされる感情的な苦痛は非常に大きなものです。

無理もないことですが、初めはこの病気と向き合おうとせず、問題が消えてなくなるようにと願うかもしれません。

しかし、この病気と向き合い、病気がもたらす感情的な苦痛を軽減する方法を学べば益が得られます。

考えられる原因

考えられる原因に関して数々の研究が行なわれていますが、アルツハイマーのはっきりした原因はまだよくわかっていません。考えられる原因として以下のようなものが挙げられます。

神経細胞の減少

人間の脳には約140憶という神経細胞がありますが、それが徐々に減少していくことがあげられます。

神経伝達物質の減少

脳の中で興奮の伝達を請け負っているのは神経細胞ですが、この神経細胞へ興奮を伝達するために働く神経伝達物質が何らかの原因で減るために、興奮がうまく伝わらなくなります。