心身症

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心身症とは、心の悩みやストレスが原因となって体の病気を引き起こされるものをいいます。心理的・社会的要因がどのように身体の病気を引き起こすか胃潰瘍を例にとって考えてみます。

仕事上のことや人間関係など強いストレスが加わると自律神経の働きで胃の中の血管がけいれんしたり、収縮したりして、胃の内側を保護している粘膜が傷つきやすくなります。

その一方で、食物を消化するために分泌される胃酸は、普段より多く分泌されるために食物だけでなく、傷ついて弱くなった胃の粘膜をも溶かしてしまいます。

こうして、胃の粘膜が傷つき、潰瘍ができてしまい、胃潰瘍となるのです。胃潰瘍は薬で治すこともできますが、ストレスがなくなった途端に自然に治ってしまうことも珍しくありません。

こんな人は要注意!

次のようなタイプの人は要注意です。

  1. 非常に野心が強く、競争心があって、できるだけ高い地位に就きたいという意欲が強い努力家タイプ。このタイプの人はいつも時間に追われ、せっかちで、うまくことが運ばないと非常にいらだってしまう傾向が強いようです。
  2. 自分の感情を表現するのが非常に苦手な人や自分の感情に気付きにくい人。こういうタイプの人は、自分の周りの環境の変化などにより生じる自分の感情の負担に気付きにくいのです。ストレスがたまっていく一方なのに、それに気づかないままで、無理な生活を続けていくために、やがて身体が限界を迎えます。

なりやすいのは

心身症になりやすいのは、努力家でまじめ、何事にも一生懸命、自らを犠牲にして仕事や勉強に励むという良い性格の人が多いようです。ブレーキがききにくいため、度を過ぎると自らの体を痛める結果になってしまいます。

子供であれば、学校でのいじめや圧力のかかる受験などにより心身症となり、頭痛や腹痛、下痢、指しゃぶり、夜尿、チックなど、さまざまな症状があらわれます。

大人になってからも仕事での重圧や職場における人間関係などにより胃潰瘍や高血圧症、心筋梗塞、糖尿病など、成人病とからんだ病気がおこりやすくなります。

老齢期になっても、日に日に身体が衰えていくことに対する憂いや社会からの孤立、親しい人たちとの死別によるショックなどが心身症を引き起こす原因となります。