自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)とはどんな病気か

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友達が欲しいのに、うまく会話ができません。それでも、自分の好きなことなら、いくらでも話せます。決まった行動パターンに従って生活し、変化があると動揺してしまいます。

よく不安になったりいらいらしたりし、時には落ち込むこともあります。周囲から誤解されます。変わっているとか、気難しいとか、失礼だとか言われます。

人の考えや感情を理解するのに困難を覚えます。表情やしぐさから相手の気持ちを察することができないので、なおのことそうです。

これらは「アスペルガー症候群」、もしくは「アスペルガー障害」を患う多くの人がよく直面する問題です。

アスペルガー症候群の人は、一見して障害があるようには見えず、知能が非常に高いことも少なくありません。

しかし、神経学的な発達障害のために、他の人との関係やコミュニケーションの図り方の点で問題を抱えます。

アスペルガー症候群にはさまざまな特徴があり、人によってその特徴は異なります。とはいえ、この障害とうまく付き合っていくことは可能です。

このアスペルガー症候群とは1945年にオーストリアの小児科医ハンス・アスペルガー(HansAsperger)によって初めて発見されました。

増えている?

アスペルガー症候群の人が増えていると言えるでしょうか。そう診断される人は増加しています。

昔からいたものの、この病気に対する認知が高まり、診断の機会が増えたので、今まで明らかでなかったアスペルガー症候群の人が明らかになってきました。

アスペルガー症候群にみられる三つの大きな特徴

アスペルガー症候群には、大きく分けて三つの症状があります。それは、下記のものです。

①社会性の障害

②コミュニケーションの障害

③反復性の行動・限局性の興味

これらは具体的にどんなことを意味するのでしょうか。アスペルガー症候群と診断されるにはいくつかの要件があります。ここには簡単な判断基準を載せておきます。

アスペルガー症候群の診断基準

アスペルガー症候群の診断には下記のような診断基準があります。

(1)言葉の発達の遅れが見られない具体的には、2歳までに一つ以上の言語を話し、3歳までに二語文(「ママ、来た」「お菓子、ほしい」などの2単語で形成される言葉)を話しているとき、「遅れなし」と判断されます。言葉の遅れが見られたことが確認されると自閉症、高機能自閉症が疑われます。

(2)知能が正常通常、IQ70以上を「正常」基準としますが、自閉症の研究で知られるイギリスの発達心理学者バロン・コーエンはIQ85以上とすることを提案しています。その場合、IQ70~84の人を「中機能自閉症」と呼んでいます。

(3)その他の面で発達に遅れが見られない身体や精神などの発達に関して、著しい遅れがみられないか判断されます。

(4)社会生活で問題が生じている社会生活や職業生活を送っていく上で、著しい困難が継続的に生じているならば、アスペルガー症候群が疑われます。

(5)他の特定の広汎性発達障害または、統合失調症の基準を満たさない

※2013年発表のアメリカ精神医学会の新しい診断基準DSMによりますと、広汎性発達障害やアスペルガー症候群は「自閉症スペクトラム障害」という名称で統一されることになりました。よって、日本においてもこれからは「アスペルガー症候群」という呼び方はなくなるものと思われます。新しい病名は「自閉スペクトラム症」もしくは、「自閉症スペクトラム障害」(Autism Spectrum Disorder 通称ASD)となります。