自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群) 共感の弱さ・読み取り能力の低さ・関心の薄さ

共有が難しい

アスペルガー症候群の症状には、他の人に共感しにくいというものがあります。普通の人の会話は、相手の目を見ながら、身振り手振りを交えながら、表情を豊かに変化させ、言葉を発してコミュニケーションを行います。

相手がそのようにコミュニケーションを開始すると、こちらも反応し、同じように返しながら交互にやりとりがなされてゆきます。豊かな身振りやほほえみの表情、温かいまなざしなどがあればすぐに会話が弾むものです。

ところが、こちらがそのようにコミュニケーションを開始しても、相手の反応が無表情で、身振りもまったくなく、視線も合わさない、機械が話すような単調な口調で、「何か用です?」とでも言われたなら、コミュニケーションは瞬時にして終了してしまうでしょう。

会話というのは、キャッチボールのようなものであり、こっちが話したら次は相手、その次はこちら…というふうに交互にやりとりしてゆきます。

同じテーマ・共通の話題で会話をすすめたり、相手の発言内容にからめて返答したりするのが暗黙のルールです。

交互に話していても、こちらの発言に対して全く関係の無い返答をされたり、コメントしても無視される会話運びをされると会話が成り立ちません。

コミュニケーションにおいて、お互いの「応答性」は重要です。この場合、コミュニケーションというよりは、一方的に自分の言いたいことを話すという感じです。

相手が何かいいたそうにしても、こちらの一方的な会話に戸惑っていても、その様子に気づくことができないのであって、決して無視しているわけではないのです。

相手の考えや気持ちを察するのが苦手

アスペルガー症候群の特徴の一つは、表情や身振り手振りが少なく、声の調子が単調で、視線を合わせようとしないという点、会話のキャッチボールが難しいという点です。

相手の視線や声の調子、身振り、表情が伝えようとしている意味を読み取ることが苦手なので、そういう結果になるのです。

しかし、逆のパターンもあります。初対面の人に対しても、平気で近づいてゆき、突飛な質問をしたり、頼みごとをしたり体に触れたりします。

年齢や立場を理解できないため、タメ口をきいたり、馴れ馴れしく接したりします。当然、「図々しい」「常識がない」「生意気」などと誤解されがちです。

他人に対する関心の低さ

アスペルガー症候群が所属する広汎性発達障害の基本症状として、社会性の障害があります。他の人と一緒にいてもまるで周りに誰もいないかのように振る舞うことがあります。

相手を喜ばせようとか、気に入られようという気持ちが弱い場合もあります。周囲に対する関心・興味がまったくないか、あっても明らかに少ない様子が観察されます。

周囲から関心を示されて、近づいてこられても拒否してしまうこともあります。無理に患者の世界に入ろうとすると拒否反応や癇癪を起こしたりすることがあります。