自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群) 条件つきの友情

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アスペルガー症候群の特徴の一つは、他人といることをあまり好まない傾向が強いという点です。

子供の頃から、みんなの輪の中に入って一緒に遊んだり、仲良しグループといつも一緒、というよりは一人を好みます。誰かと何かをするよりは、一人で取り組む方が好きという傾向が強いようです。

他の人からすれば、こういう気持ちがわからないこともありますから、誰かが一人でいると仲間に入るよう親切に声をかけるかもしれませんが、そっけない反応を示されたり、断られたりして勘違いされやすいのです。

こういう特質は何もデメリットばかりではありません。他の人がどう思うかと周囲に左右されることが少なく、自分の意志や考えを貫きやすいのです。ある意味、堂々と自分らしく生きているといえます。

条件つきの友情

アスペルガー症候群の一人を好む傾向はいつも他人との距離となるのでしょうか。じつは、相手の人が自分と同じ関心や興味を持っている場合、共通の土台のもとに話題を楽しめます。

お互いが向きあうという形というより、お互いが同じ関心事に向いているという形です。こういう形のほうが楽と感じることが多いようです。

そして、同じ関心事のもとにつながっている相手と生活や体験を共にするにしたがって愛着や絆のようなものを感じるようになります。しかし、この絆が一生続くほど固いものなのでしょうか。

「同じ関心事のもとで時間や体験をともにする」というこの環境のもとにある限りは友情や絆が成長し続きますが、そうでなくなると途絶えてしまいます。

相手の人が積極的で、より高い社交性をもっていて、こちらに関わりを求めてくる一方的な関係に依存していることも多いです。

ですから、このような「条件つき」で親密な関係になることがよくあります。

基本的に一人でも平気

アスペルガー症候群の人からすれば、親密な友人がいないことはそれほど苦痛なことではなく自然なことで、そのほうが楽に感じます。

もちろんこれにも個人差があり、すべてのアスペルガー症候群の人がそうだというわけではありません。

「あまり他人との関わりを求めない」という一般的な特徴がありますが、時にはさみしさを感じて、温かい人間関係を求めることもあります。

しかしチャンスあって、いざ他人と深い関わりを持つと、実際には色々と面倒なこともつきものなので疲れてしまい、一人のほうがいいという結論に至ることもよくあることです。

※2013年発表のアメリカ精神医学会の新しい診断基準DSM-5によりますと、広汎性発達障害やアスペルガー症候群は「自閉症スペクトラム障害」という名称で統一されることになりました。よって、日本においてもこれからは「アスペルガー症候群」という呼び方はなくなるものと思われます。新しい病名は「自閉スペクトラム症」もしくは、「自閉症スペクトラム障害」(Autism Spectrum Disorder 通称ASD)となります。

この広汎性発達障害には「社会性の障害」という共通する特徴があります。社会性の障害の問題は、相手の気持ちや感情が分かりにくいということです。相手の視点になって相手の心の状態を想像する能力を「心の理論」といいますが、この能力が弱いのです。