自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群) 周囲の感情に振り回されない

風景と人の顔の写真の両方を見せて比較すると、健常な人の場合、顔に対する記憶力が圧倒的に優れています。

しかし、広汎性発達障害の場合、風景に対する記憶力と顔に対する記憶力にさほど差が見られません。

つまり、アスペルガー症候群や自閉症などの広汎性発達障害の場合、人の顔を特別なものとして認識しておらず、風景と同じ程度のものとして認識していると言えます。

ですから、人の表情から読み取れる様々な情報は伝わりにくくなっています。

「暗黙の了解」は苦手

社会には暗黙のルールがあります。人間関係の間にも「暗黙の了解」が存在します。アスペルガー症候群の人はこの「暗黙の…」を読み取るのが苦手です。

社会的な常識というものがわかりにくく、悪気はないにしても聞いている人がヒヤヒヤするようなことを言います。例えば初対面の人に貯金の額をきいたり、離婚経験があるかと尋ねたりします。

言ってはいけないとされる「暗黙の了解」がわからず、相手を戸惑わせたり、怒らせてしまうこともあります。

本人にしてみれば、どうして相手が怒っているのか理解できません。むしろ、相手が怒っている方が不当だと感じて、人間不信感に陥ることもあります。

誤解されがち

自分の観点以外で見ることが不得意なので、「周囲からどう思われるか」ということより、自分の考えや見方を優先します。周囲の人と仲よくやりながら行動するというスタイルは性に合いません。

自分の興味以外、周囲の気持ちがどうだろうとほとんどお構いなしなので、「自分のことしか考えない」と思われがちです。

しかし、実際のところは、周囲のことを考えないというより、周囲のことが目に入らないので仕方がないのです。

服装にもあらわれる

人の意見に流されないという特質は、ファッションや流行に左右されないという結果となって現れる場合もあります。

ぼさぼさの髪、いつも同じ服でいても気にならないことが多いです。どちらかというと、決まった格好を好みがちです。

人に振り回されない

しかし、これらのことも積極的に考えれば、自分の考えをしっかり持って、信念に沿って行動できるので、いつも周りの意見に流されっぱなしの人からすればうらやましいことかもしれません。

また、「他の人からどう思われるか」がいつも気になる人もいますが、アスペルガー症候群の人からすれば、人がどう思うかということよりも、人の考えとは無関係な「事実」こそが大切だと考えるので、そういう思いに左右される生活からも解放されています。

※2013年発表のアメリカ精神医学会の新しい診断基準DSMによりますと、広汎性発達障害やアスペルガー症候群は「自閉症スペクトラム障害」という名称で統一されることになりました。よって、日本においてもこれからは「アスペルガー症候群」という呼び方はなくなるものと思われます。新しい病名は「自閉スペクトラム症」もしくは、「自閉症スペクトラム障害」(AutismSpectrumDisorder 通称ASD)となります。