自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群) 一方的なコミュニケーション

周囲は混乱するかも

言葉を聞き取り、理解する能力が弱い傾向

アスペルガー症候群は、タイプによっては、積極的に話しかけ、よくしゃべる場合があります。

その場合も言葉のやり取りをしながらのキャッチボールではなく、自分が関心のあることをただひたすらしゃべったり、TPO(時間・場所・場合)や相手の反応に関係なく質問したりします。これでは一方的なコミュニケーションです。

一方的にしゃべることのリスクを経験を通して学び、ある程度は制御できるようになりますが、何かの拍子に自分の関心事に熱中してしまうと、そうした傾向が顔を出します。

相手が効いていないにもかかわらずしゃべり続けたり、独り言を言ったりすることもあります。一方通行のコミュニケーションになりがちな理由としてはどんなことが考えられるのでしょうか。

それは受容性言語能力(言葉を聞き取り、理解する能力)が弱い点が挙げられます。決して本人の性格や落ち度ではないのです。

アスペルガー症候群では、表出性言語能力(話したり、書いたりする能力)に比べて聞く能力が弱い傾向があります。

自分が能動的に行動することで理解するタイプであり、聞いたり観察したりする受動的な体験ではピンと来にくいのです。

心で感じる能力

アスペルガー症候群と診断される人の症状やタイプも千差万別です。

人によっては、共感性はあるものの、相手の隠れた意図に気づくのが苦手で騙されやすい場合もあれば、機械のように話しながらも、的確に相手の意図を見抜く力を備え、巧みに大勢の人を操る能力の持ち主もいます。

実際、アスペルガー症候群が推測される人の中にも、社長や政治家、軍事家として優れた業績を残し、才能を開花させる人も少なくないのです。

情に左右されない分、冷静に判断し、合理的に行動できる面を持っています。

「心で感じる能力」が弱いというのは、このようにプラスに働くこともあればマイナスに働くこともあります。

言葉なくしてもお互いの気持ちが通じることがありますが、アスペルガー症候群の人の場合、「なぜ言葉なしで理解できるのか」不思議なのです。

※2013年発表のアメリカ精神医学会の新しい診断基準DSMによりますと、広汎性発達障害やアスペルガー症候群は「自閉症スペクトラム障害」という名称で統一されることになりました。よって、日本においてもこれからは「アスペルガー症候群」という呼び方はなくなるものと思われます。新しい病名は「自閉スペクトラム症」もしくは、「自閉症スペクトラム障害」(AutismSpectrumDisorder 通称ASD)となります。