自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群) 同じ行動パターン

Aspergers21

アスペルガー症候群は同じ行動パターンに固執するという傾向があります。

同じ行動パターンといっても、同じ行動、同じ状態という形もあれば、特別な領域への果てしない興味となって現れることもあります。傷つけられた過去の体験に対する恨みが持続するというパターンもあります。

アスペルガー症候群の人によっても違いは出てきますが、一つのことに囚われるといつまでも囚われ続け、切り替わりにくいという面があります。

このような固執性は生まれつきの要素によるものが大きいと考えられています。固執性は、同じ行動の反復傾向や慣れ親しんだやり方に対する異常なまでの執着として現れます。

いつもと同じやり方を好み、そうすることに安心感を抱きます。無理に変えさせようとすると、強い反発と本人のうちに強いストレスを生み出します。

単純で無意味なように見えるが…

同じ行動パターンの繰り返し傾向はまず単純で無意味に見える行動を繰り返す常同行動として見られます。

体を前後に揺すったり、ぐるぐる回ったり、物をあるルールに沿って並べたりなどです。こういったことを繰り返すのですが、それを何時間も平気で続けることができます。

これは、周囲からみると、意味がないようなことをずっと行っているように見えるかもしれませんが、本人にしてみれば、違和感どころか安心感を抱かせるものです。

その上、ストレス解消や緊張緩和にも役立っていると考えられています。他人にとってどう映っているかは無関係で、人前でも隠そうとはしません。

成長とともに形を変えてゆく

こう行った行動は成長とともにあまり目立たなくなりますが、一人の時や意識的なコントロールが緩んだ時に自然と出やすいようです。年齢が上がると、この反復への欲求は人により様々な形を取ります。

いつも同じ席で食事をとったり、常に決まった食べ物、飲み物だったり、同じ道を通って帰らないと気が済まなかったり非効率なのは理解していても、自分の決まったやり方でないとダメだったりします。

この手の人にとって、「反復」とは何かと言われると、「人生の根本的な欲求」といっても過言ではないのかもしれません。

人にも要求

困るのは、自分と同じ行動パターンを他の人にも要求することです。自分の思い通りにしようと、周囲を仕切りたがったり、規則を作ったり、それを守らない人に厳しい罰を与えようとすることもあります。

子供の頃にはルールにしつこくこだわるなどの形で現れます。一度言い出したらあくまで主張を通そうとするので、「我が強い」「協調性に欠ける」「柔軟性が弱い」などと評価されることが多くなります。

本人の自覚と努力によりある程度隠れますが、より強いストレスのもとや、自分の思い通りにできる立場に就いたりすると現れることがあります。

そのような場合には、周囲が苦労する結果となりかねません。この固執性も考えようによっては悪いことばかりではありません。

単調で同じ作業を延々と繰り返すような場合や、目指すものに一心不乱に向かい、妥協せず成し遂げたりするような場合には大いにプラスとなるのです。

※2013年発表のアメリカ精神医学会の新しい診断基準DSMによりますと、広汎性発達障害やアスペルガー症候群は「自閉症スペクトラム障害」という名称で統一されることになりました。よって、日本においてもこれからは「アスペルガー症候群」という呼び方はなくなるものと思われます。新しい病名は「自閉スペクトラム症」もしくは、「自閉症スペクトラム障害」(AutismSpectrumDisorder 通称ASD)となります。