自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群) 長所

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アスペルガー症候群にはどのような長所や強みがあるのでしょうか。これも人により違いはありますが、一般的なアスペルガー症候群の強みについてここでは考えてみたいと思います。

①高い言語能力

アスペルガー症候群の人は言語能力が優れている人が多いと言われています。日常会話は苦手だとしても、論理的に専門的な話をすることが得意です。

②優れた記憶力と豊富な知識

自分が興味ある分野に関しては、専門家のような高度の知識を蓄えていることもあります。優れた記憶力や関心ある分野への知識力は、膨大な知識を要するような仕事、学者や研究者、医師や法律家などに適性がでることもあります。

③優れた視覚的処理能力

アスペルガー症候群の中にはこの視覚的処理能力が高い人がいます。日常生活では地図を読んだりパズルを組むのが得意という面に現れます。

仕事として造園家、デザイナー、設計士、アニメーショングラフィック、数学、工学などの分野に向いていると言われています。

④物への純粋な関心

アスペルガー症候群の人の中には、物の構造や中身を知ろうとしたり、物自体の形態や質感や多様性に魅了される人がいます。

普通の人が見向きもしないところに注目し、思わぬ発見をするかもしれません。こうした特性は科学者やエンジニアに必要な資質です。

⑤空想能力

空想能力が優れている人は、ありありと細部まで空想したり、現実離れした世界を創り上げることができたりといった非常に豊かなイマジネーションを備えている場合があります。

空想する能力は創造的な能力と関係があり、新しい商品を生み出したり、芸術作品を世に送り出したり、物語や映画を制作したりする時にこの能力が必要になります。

⑥秩序や規律を重んじる

アスペルガー症候群の人はその多くが整然とした秩序を好みます。

社会の秩序という点、法律や社会学のシステムに関心を持ち、そうした場で活躍する人もいれば、経済やお金の動きに関心をもち、経済学や会計学の分野で活躍する可能性もあります。

言語の秩序に関心が向けば、言語学者として活動できるかもしれません。

⑦強く揺るぎない信念

アスペルガー症候群の人は、あまり人の評価や賞賛に関心がなく、他の人に左右されず自分の信念に向かって突き進んでいける傾向を持っています。

その時代の流れや風潮に左右されず、正しいと信じることを主張し、信念を貫くことができる強さを秘めています。

⑧持続する関心・情熱

アスペルガー症候群の人の中には、自分が興味をもったことへのこだわりを長く持続させる傾向を持っています。

普通の人ならば、飽きてしまうようなことでも、長い時間と膨大な努力を同じ対象に注ぐことができ、ときに深い知識や他の人が成し遂げられないような事を果たすことができます。

⑨孤独や単調な生活に強い

アスペルガー症候群の人の中には、友人や親しい人間関係に対する欲求が薄い人がおり、そういう人は孤独に強いと言えます。

一日中誰とも話さなくてもそれほど寂しくなく、孤独感にさいなまれることも少ないです。刺激や変化の少ない環境で淡々と生活することに苦を感じない人もいます。

こういう能力は、単調な作業が求められる仕事や正確に成し遂げられるような作業に向いています。

⑩欲望や感情に溺れない

アスペルガー症候群の人の中には、感情に溺れず、いつも冷静でいられる人がいます。並の人が動転してしまうような状況に置かれてもあまり動じることなく、定められた手順通りに行動できる能力を持っていることがあります。

こうした能力があって、関心が向くならば、医療関係や保安関係の場に活躍できる余地を見いだせるかもしれません。

※2013年発表のアメリカ精神医学会の新しい診断基準DSMによりますと、広汎性発達障害やアスペルガー症候群は「自閉症スペクトラム障害」という名称で統一されることになりました。よって、日本においてもこれからは「アスペルガー症候群」という呼び方はなくなるものと思われます。新しい病名は「自閉スペクトラム症」もしくは、「自閉症スペクトラム障害」(AutismSpectrumDisorder 通称ASD)となります。