ADHD 親の皆さんへのアドバイス

adad

ほとんどどんな子供も、注意力が散漫で、衝動的、また活動過多になることがあります。こうした特徴があるからといって、それは必ずしもADHDであることを示すものではありません。

自分のせいではないハンディキャップや病状があると思われているばかりに、何かをしようとしない子供が大目にみられている例はたくさんあります。確かに,ADHDと診断された人の中には、神経に損なわれた部分があって、薬物療法を必要とする人もいます。

しかしこの機能不全は、ほとんどの場合ADHDとは全く関係のないあらゆる暴虐、偽善、放任、その他の社会的病弊の犯人ともされてきました。

実際は行きずりの暴力行為や薬物の乱用や、無規律で過度に刺激のある家庭など、現代生活に見られる価値規準の欠如なども、ほかの神経学上の欠陥よりもADHD的な不安定さを助長しやすいのかもしれません。

ですから、ADHDを「何にでも当てはまる概念」として用いたりしないように注意が必要です。大切なのは、重要な徴候を一つ残らず検討することです。様々な身体的また知能的問題の一面がADHDに似た症状として出ているのかもしれません。

ですから、正確な診断をする上で、経験を積んだ医師の助けを得ることは不可欠です。診断結果が出た場合でも、親は薬物療法の是非を吟味してみるのがよいでしょう。薬物の副作用は不眠、不安の亢進、神経過敏などの不快な症状をもたらすこともあります。

このような幾つかの理由で、親は子供にADHDあるいは何かの学習障害があると安易に決め込むべきではありません。むしろ、熟練した専門家の助けを借りて、証拠を注意深く吟味しなければなりません。

子供に何かの学習障害またはADHDがあると分かった場合、親は時間をかけてその問題に精通し、子供の最善の益をはかって行動できるようにするべきです。

ADHDの若者と大人

近年、ADHDは子どもだけの病気ではないことが理解されています。子供を治療に連れてきた親が、『私も子供のころは同じでした』と言うのはよくあることです。

そして、その親は、今でも、列について待ったり、会合の始めから終わりまでじっと座っていたり、仕事をなし終えたりするのに問題があることを認めると述べています。

現在では、ADHDを持つ子供の約半数がこうした症状の少なくとも一部を持ったまま青年期を迎え、大人になると考えられています。

青年期において、ADHDを持つ人は危険な振る舞いにとどまらず、非行へと転じてゆくことがあります。「以前は、あの子が大学に入れないのではないかと心配したものです」と言うのは、ADHDの青年の母親です。

「でも今では、あの子が刑務所に入らないでいてくれるよう祈るばかりです」。そうした心配ももっともと言えるのは、多動の若者103人と、この障害を持たない子供100人の対照群とを比較した調査があるからです。

大人の場合、ADHDは数々の特殊な問題をもたらします。ADHDの青年は、仕事を転々とし、何度も首になり、一日中、仕事もせずに過ごす落ち着きのない大人になる危険性があります。

原因を理解していないと、これらの症状のせいで結婚関係が緊張してしまうこともあります。ADHDを持つある男性の妻は、「普通の会話では,私の言うことがすべて聞こえているわけではありません。主人はいつもどこか別のところにいるみたいです」と言います。

もちろん、こうした特徴は、多くの人が少なくともある程度は持っているものです。その症状が「常にあるかどうか」が分かれ目になります。

例えば、失業以来あるいは妻の出産以来うわの空になっているだけなら、それは障害ではありません。自己判断や素人判断せずに、専門医に診てもらい、性格な診断を得た上でこれからの対処を考えることができます。