ADHDの症状 注意散漫・管理は苦手

adhdの注意散漫傾向

不注意はADHDの中核的な症状です。これは、脳の軽度の機能障害により、目がさめている時でも、自分の興味や関心のない事柄に対しては、覚醒レベルが低下して、注意散漫になります。

結果として、仕事中でも家事をしていても、勉強中でも会議中でも自分の関心が薄い対象を前にしているときには意識が別の世界に飛んでしまいます。極端になると居眠りをしたり、ボーッとして「心ここにあらず」状態になります。

問題は本人がそのことにほとんど気づいていないということです。先に周囲の人が気づくような状態です。

会社での仕事において上司や同僚、取引先などとしっかりとコミュニケーションをとることが必要ですが、大人のADHDの人は注意散漫で相手の話を聞くことが難しいので、自分の言いたいことだけを話してしまいがちです。

これは家庭においても同様で、夫婦・親子間であっても相手の言い分に注意を払って集中して聞くことが難しい場合があり、自分の言いたいことだけを言ってしまうことになります。

これでは当然の結果として、仕事においてもその都度、大小の問題が生じますし、達成レベルが低下します。家庭においてもコミュニケーションが一方的となり、亀裂が生じかねません。

ですから、本人に悪気はないにもかかわらず、周囲の人の誤解を招き、「人の話を聞かず、自分の言いたいことだけを言う勝手な人」というレッテルを容易に貼られてしまうのです。

管理は苦手

ADHDの人は不注意・注意散漫傾向が強いために「計画」・「管理」することが苦手です。

たとえば、お金のやりくりに関しても限りある中から必要な分を取り分け、何にどれほどの金額がかかるから、自由に使える金額はこれだけ」といった計画を前もってたてることが苦手です。

衝動的な面もあり、自分の関心のあることには高い関心を示しますから、衝動買いや浪費癖に走りやすいところがあります。

時間の管理に関しても苦手で、1ヶ月、1週間、明日、今日の計画をして、決めたとおりに仕事や用事をこなしてゆくということが困難です。また、片付け・整理整頓ができず、「~しっぱなし」なところがあります。

服は脱ぎっぱなし、本は読みっぱなし、物事はやりっぱなし、テレビはつけっぱなし、窓も戸も開けっ放し、部屋はゴミ屋敷のようになりがちです。

車の運転も信号の見落としやよそ見などで事故を起こしやすく、職場でも機械操作や器具扱いのミスが多いので、産業事故や労災事故につながりやすくなります。

ADHDの注意散漫・不注意傾向の原因の一つは脳機能の障害に伴う「脳の情報フィルター機能」の低下によるものと考えられています。

人間の脳には、外部から入ってくる膨大な量の情報の中から必要なものだけを選択して伝える「フィルター機能」があります。

ADHDの人はこのフィルター機能が未熟なため、周囲の雑音、騒音を全部取り入れてしまい、頭の中が混乱するのではないかと考えられています。

たとえば、大勢の人の中で友人と話していたとしましょう。そこにはいろんな人の話し声や様々な雑音が飛び交っています。普通、私たちは大勢の人がいても自分が話している相手の声だけを拾って集中して聞くことができます。

しかし、ADHDの人の場合、相手の声だけでなく、聞こえるすべての音を一斉に脳が拾ってしまうため、頭の中はいろんな音で混乱してしまいます。

これは「不注意または注意の転導性亢進」と呼ばれる現象です。これが自閉症やアスペルガー症候群の場合、もっと激しく、外部からの音を遮るための「耳塞ぎ現象」が見られることもあります。