ADHDなどの発達障害、小中学校に6.5%在籍の可能性

ADHD

最近になってその名前の知られてきたADHDなどの発達障害ですが、実情はどうなのでしょうか。2012年、小中学生に限定した文部省の調査が行われました。

文部科学省は2012年12月5日、全国の公立小中学校の通常学級に発達障害のある児童生徒が6.5%在籍している可能性があるという調査結果を公表しました。このうち約4割の児童生徒は、指導計画を作るなどの支援を受けていないということです。

この調査は、全国(2012年3月11日の東日本大震災で大きな被害の出た岩手、宮城、福島の3県を除く)の公立小・中学校の通常の学級に在籍する児童生徒53,882人(小学生35,892人、中学生17,990人)を対象に、2012年2月から3月にかけて実施しました。

授業中や学校での行動を担任教員による回答をもとに判定しました。調査の結果、児童生徒の6.5%が、人とコミュニケーションがうまく取れないなど発達障害の可能性があるということです。

このうち、指導計画を作るなどの対応方法が策定された児童生徒は11.7%で、特に支援を受けていない児童生徒は38.6%となっています。

2002年に実施した同様の調査では、今回より0.2ポイント低い6.3%で、支援状況についての調査は行っていませんでした。

ですから、必ずしもその数が増加しているというわけではなく、全体的な比率はほとんど変化していないのではないかと考えられます。

学習障害・ADHD・高機能自閉症

発達障害の種類別にみると、知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち特定の分野の学習に著しい困難を示す「学習障害(LD)」の可能性がある児童生徒が4.5%。

年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、衝動性、多動性が特徴で、学業などに支障をきたす「注意欠陥/多動性障害(ADHD)」の可能性がある児童生徒が3.1%。

知的発達に遅れはないが、他人との関わりが困難で言葉の発達が遅れ、関心のある特定分野にこだわることを特徴とする「高機能自閉症」の可能性がある児童生徒が1.1%。一部は、これらの発達障害が重複していました。

発達障害とみられる児童生徒を男女別にみると、男子が9.3%で、女子が3.6%でした。学年別では、小学1年が最多で9.8%、以降学年が上がるにつれて減少し、小学4年生で7.8%、小学6年生で6.3%、中学1年が4.8%、中学3年が3.2%となりました。

この傾向については次のようないくつかの点が指摘されています。

「周囲の教員や児童生徒の理解が深まり、そのことが適切な対応につながり、当該児童生徒が落ち着く可能性があるのではないか」「学年が上がるにつれ、学校においての生活経験を積む、友人関係ができる、あるいは、部活動にやりがいを見いだすなどにより、当該児童生徒が学校に適応できるようになる可能性があるのではないか」「低学年では、学習面や行動面の問題は見えやすいが、高学年になるにつれてさまざまな問題が錯綜し見えにくくなる可能性もあるかもしれない」さらなる確かな結果は、今後の調査研究に委ねられることになりそうです。