回避性パーソナリティ障害の人への接し方

主体性を大切に

回避性パーソナリティ障害と診断された人が身近にいる場合、接し方の点でどのように気をつけることができるでしょうか。

本人の考えを尊重する

まずはこの障害の特性を理解しておくのは助けになります。彼らは基本的に、批判、否認、拒絶、悪口などに敏感で、それらを恐れています。また、自信がなく、自分は何をやってもダメな人間であるといったような低い自己評価を抱えています。

自分はダメ人間という自己評価に加えて、他人からもさらにマイナス評価を受けることに耐えられなくなっています。

そんな彼らの背景には、自分の考え方や意向を大切にされずに育った経緯が多くの場合認められます。ですから、これらを避ける方向性で接するのが基本方針になります。

何かをするよう指図したり、何かをしないよう叱りつけたりせず(常識の範囲内で)、本人がしたいことを尊重することです。

心配だからとあれこれ世話を焼き、甘やかしてしまうのも本人の主体性の妨げとなります。何も手出ししないようにします。意思表示が出るまで待つことがポイントになります。

無関心にならないようにしつつも、温かく見守り、必要なときには助けを差し伸べられるようにしましょう。

無理に説得しない

本人の考えを尊重することには、無理に説得しないことも含まれます。親や周囲の期待どおりに事が運ばない場合、ついつい言いたくなる気持ちもわかります。傍目には怠けているようにしか見えないかもしれません。

遠回りに思えるかもしれませんが、結局のところ、本人の意思に委ねることにより最良の結果が出ることが多いのです。待っている間も、気持ちが焦っていると、見えないプレッシャーとなって回避性パーソナリティ障害の人に伝わりやすくなります。

ですから周囲の人は、本人のことにかかりきりにならず、他のことに注意を向けることができます。周囲の人に心の余裕のあるほうが、本人も変化しやすく、プラスとなります。

否定的な言い方に気をつける

回避性パーソナリティ障害の人はとにかく打たれ弱いので、否定や非難、蔑みの言葉や態度は控えなければなりません。

回避性パーソナリティ障害を発症するまで事あるごとにそのような言葉を浴びせられてきたので、すっかり免疫力がなくなっているのです。肯定的な言い方や褒め言葉、感謝の言葉など、プラスの言葉遣いを心がけましょう。

本人は挫折感や劣等感まみれになってすでに諦めているので、本人の気づいていない長所や可能性に目を向けて接してあげましょう。過去の失敗や今までのことは水に流し、最初からスタートの気持ちで新しい風を吹かせてゆきましょう。