脳血管性認知症 うつ症状

うつ症状の出現

うつ症状が現れることもある

脳血管性認知症の症状として、次第に元気がなくなり、引きこもりがちになり、憂うつ的な様子を呈することがあります。

ここで、うつ病との違いを知っておくことは助けになります。うつ病の場合、物忘れはよくあることですが、忘れたこと自体を思い出せるので、自分を責めたりします。

脳血管性認知症に伴ううつ症状の場合は、忘れたことすら思い出せず、人から指摘されても思い出せないので、自分は悪くないと、他人のせいにしたりする傾向があるという点で違いがあります。

脳血管性認知症の症状としてうつ症状が出現するため、わからないまま心療内科や精神科を受診するかもしれません。そして、精神科医から正式に「うつ病」の診断を受けることもあり得ます。

処方された薬を飲むとき、うつ病かそうでないかがはっきりしてきます。本当にうつ病ならば、精神科医の処方した薬が徐々に効き目を発揮し、症状が改善されてゆきます。

しかし、脳血管性認知症の症状ならばうつ病の薬をいくら飲んだところでうつ症状は改善されないでしょう。そのような場合は脳血管性認知症をはじめ、他の疾患が隠れている可能性がありますから、その方面に疑いの目を向けて可能性を探ってみることも必要でしょう。

脳血管性認知症の予防

予防としてどんなことができるでしょうか。

脳血管性認知症の前段階として、「VCI」(脳血管性認知症の予備群)と呼ばれる状態があります。この時点で早期発見できるなら、その後の進行を遅らせたりするなどの予防措置が取りやすくなります。

頸動脈エコー検査

「VCI」と呼ばれる脳血管性認知症の予備群に自分が入っていないか、どうすればはっきりするのでしょうか。それは、動脈硬化が起きていないか頸動脈エコー検査を受けてみることです。

頸動脈エコー検査によって、脳につながる頸動脈に動脈硬化が生じているか調べることができます。そこを調べることにより、脳内血管の状態を推測することができるのです。頸動脈に動脈硬化が生じているなら大抵、脳血管も同じような症状になっているからです。

自分が普段病気の時に受診している病院で頸動脈エコー検査をやっているかどうか、事前にインターネットなどで調査したり、電話で問い合わせたりしてみることができます。頸動脈エコー検査はできれば1年に1回受けておくと安心です。

脳の血流を増幅させる

私たちの脳細胞は実は毎日たくさん死滅しています。死滅するのは普段使っていない脳細胞群です。ですから、死滅する脳細胞を減らすために、普段使っていない脳細胞を活性化させることにより、脳血管性認知症を予防することができます。

脳内の血流を増大させ、脳細胞を活性化させるためにどんなことができるでしょうか。

普段の生活の中で利き手で行なっている動作を逆の手でやってみることができます。そうすることで脳の血流が上がり、普段使わない脳細胞を活性化させるのです。

たとえば、鍵を開けるのを利き手でないほうの手でやってみる、箸をいつもとは逆の手で持って食事をしてみる、逆の手で字を書いてみるなどです。普段していない作業や活動により、使われていない脳細胞が働き、活性化されるのです。

このような点を普段から意識して取り組むのと、放置して何もしないのとでは数年後に大きな違いをもたらしますから、今からぜひとも予防してまいりましょう。