仮面うつ病

見つかりにくい

仮面うつ病は見つかりにくい

うつ病の中には痛みや倦怠感などの身体の不調があらわれることがあります。頭痛や腹痛、胸痛、腰痛、顔面痛などの痛みの症状はよく見られます。

頭痛や顔面痛では、「締め付けられるよう」、「膜が張ったような感じ」、「何かが張り付いたような感じ」、「帽子をかぶっているかのよう」、「重りを載せられているような感じ」というような独特の訴え方をします。

そのほか、肩こりや体の節々の痛み、食欲不振、下痢や便秘などの胃腸症状、発汗、息苦しさなど、さまざまな身体症状が確認されています。

こうした身体症状が存在する場合、つい表面に出ている症状ばかりに目がいってしまい、背後に隠れている精神面の疾患を見逃しやすくなります。

こうした状態を抑うつ症状が身体症状の仮面の背後に隠れているという意味で「仮面うつ病」と呼びます。

3ヶ月以上原因不明の症状

だいたい3ヶ月以上原因不明の身体的な痛みで悩まされている場合、うつの症状が見られやすいようです。

痛みには、主にノルアドレナリン系、セロトニン系が関与しています。うつ状態に陥っている時、こうした神経系に異常が生じているため、痛みを増してしまいます。

また、痛みは炎症反応とも深い関係がありますが、うつ状態では炎症反応が普段より敏感になっています。そのため、痛みを抑えるための鎮痛剤よりも、うつの治療のための抗うつ薬のほうが功を奏することがよくあります。

この場合、鎮痛剤は痛みを一時的に抑えるだけですが、抗うつ薬は痛みを引き起こしている原因に働きかけると考えられます。

現在痛みに悩まされている人は、将来的に腰痛などの慢性的な痛みを抱えやすい状態です。つまり、うつが痛みを引き寄せるかのような悪循環に陥っているのです。ですから、放置せず、早めに対策を講じるようにしましょう。

精神的な疾患は気づきにくい

一般に精神的な悩みについては、公にしにくいものです。対照的に、痛みなどの身体的な悩みは相談しやすい面があります。身体症状を改善するために医療機関を受診しても良くならない場合、精神面の疾患を疑ってみることができます。

特に、不登校の生徒や引きこもりに陥っている人、出社困難な会社員、更年期障害時期の女性、高齢者などは要注意です。

この仮面うつ病は、自覚症状が身体面に出現するので精神面に目を向けにくくなります。「自分はストレスなど感じていないから精神面は問題ない」と早合点しがちになります。心がストレスを感じにくい分、身体に症状が表れているので、身体面と精神面の両面から問題を考慮すると隠れているうつ病を発見しやすくなります。