1ヶ月以内に回復する統合失調症「短期精神病性障害」

短期精神病障害

統合失調症には似ている疾患が数多く存在します。ここでは、短期精神病性障害について取りあげます。

短期精神病性障害とは、統合失調症に似た症状が出現しますが、1ヶ月以内に回復してしまう短いバージョンの統合失調症ということができます。

発症のきっかけとして、大きなストレスを受けることがほとんどですが、中には特にこれといって思い当たる節もないのに発症する場合もあります。

発症すると、数日から2~3週間の間、幻覚や妄想、まとまりの悪い行動や緊張病性の症状が一時的に現れます。短期間しか症状が出ないのがこの短期精神病性障害の特徴なので、1ヶ月以内に完全に元通りに回復します。

興味深いことに、欧米などの先進国においてこの短期精神病性障害はあまり見られず、回復に多くの時間を要する傾向があります。

それに対し、発展途上国においては、急激に発症して、急速に回復するこの短期精神病性障害が多い割合でみられます。

なぜ先進国に短期精神病性障害が少ないのか、はっきりとした要素はわかっていませんが、途上国には精神病を短期間で回復させることのできる何かがあると思われます。

DSM-5における短期精神病性障害の診断基準

以下は、2013年に発表された最新版のDSM-5における短期精神病性障害の診断基準です。

A. 以下の症状のうち1つ(またはそれ以上)が存在する。これらのうち少なくとも1つは①か②か③である。

①妄想

②幻覚

③まとまりのない発語(例:頻繁な脱線または滅裂)

④ひどくまとまりのない、または緊張病性の行動

注意:文化的に許容された反応様式であれば、その症状は含めないこと

B. 障害のエピソードの持続期間は少なくとも1日以上1ヶ月未満で、最終的には病前の機能レベルまで完全に回復すること

C. その障害は、「うつ病または双極性障害、精神病性の特徴を伴う」統合失調症または緊張病のような他の精神病性障害ではうまく説明されず、物質(例:乱用薬物、医薬品)または他の医学的疾患の生理学的作用によるものではない