愛着障害の原因と治療

6r4bgs

愛着障害の原因は基本的に子供の頃に得るはずだった愛情を十分に得られなかったことです。

愛情を十分に注がれない親子関係には幾つものパターンがあります。

たとえば…

・親に捨てられた

・親との死別

・事情ゆえに親と離れ離れに暮らさなければならなかった

・親から放っておかれた

・親に虐待された

・親の離婚やけんかを目の当たりにしていた

・親が自暴自棄な振る舞いしたり、自殺未遂などを経験している

・再婚などにより親の愛情が他の存在に奪われた

・親が自分よりも他の兄弟を可愛がった

・親からあまりかまってもらえなかった

・親からいつも否定された

・親の期待や都合ばかり押し付けられた

・親が何らかの愛着障害を有しており、無意識レベルで子供へ受け継がれた

…などがあります。

必ずしも虐待された、育児放棄されたといったはっきり原因がある場合だけではなく、両親そろっていて、特に問題なく育てられたように見える場合でも上記のように様々な理由で愛情を得損なうことがあるのです。

このようにして愛情を十分に得られなかった人は、愛着の障害を抱え、後の人生に少なからず影響を及ぼしていきます。

大人でも子供でも3人に1人が何らかの愛着障害を抱えているかもしれないという事実はこの問題の大きさを静かに訴えています。

愛着の障害は様々な心の病気の温床となっているので、この部分が修復されれば、それに連動して他の心の病や原因不明の体調不良なども改善される可能性が大いにあります。

愛情の不足を取り戻す

愛着障害の克服には不足している愛情を取り戻すことが関係しています。

ある意味、子供の頃からやり直すことによって修復することができます。

実際、愛着障害を抱えた人が回復していく過程において、幼いころの状態や問題を順次再現しながら、児童期→思春期→青年期の段階と、成長してゆく様子が見られることがあります。

たとえば、愛着障害の人がよくなっていくプロセスで「母親と一緒に布団を並べて寝たい」とか「抱っこをしてほしい」といったことを言い出すことがあります。

また、幼い子供に戻ったかのような様子、ままごと遊びや、絵本、駄々をこねたり、わがままを言ったりして、親を困らせたりするかもしれません。

幼いころの心理状態が呼び起こされて、そのとき得ることができなかった愛情を現在与えてもらうことにより、修復しようとしているかのようです。

愛着障害の改善にはこういった不足を埋め合わせようとする状態が出現することが必要です。

そういった状態は普通にみれば気持ち悪く、すっかり後退したように見えるかもしれません。

何が起きているのかわからない人にはただの「悪化」にしか思えないかもしれないその状態は、分かる人からすれば回復のための重要な段階なのです。

きちんと向き合ってあげる

慢性的に不足していた愛情を再取得しようとするその段階にはきちんと向き合ってあげる態度が大切です。

良き理解者がいるか、いないかによって、回復するか、さらに悪化するかを方向づけるからです。

せっかく回復のための重要な「赤ちゃん行動」が出現しているのに、拒否したり、相手にしなかったり、本人を突き放したりすると、開きかけた回復への扉を知らずに閉じてしまうことになります。

そのような心が柔らかくなった時こそ、子供に対するように抱きしめ、可愛がり、失われた時間と愛情を少しでも取り戻してあげることが重要なのです。

二人三脚

背後にはこういうからくりがありますから、愛着障害は患者一人だけでは良くなりません。

薬は不安などの症状を一時的に抑えることができますが、愛情を満たすものではないので、根本的な解決にはなりません。

不足している愛情を注ぎこんでくれる存在が必要です。やはり、人が原因で生じた穴は人で埋め合わせるしかないのです。

愛着障害の克服 愛情を注いでくれる存在」で述べているように、そのためには親が最善ですが、それが困難な場合、親代わりとなる第三者でもだいじょうぶです。

医師やカウンセラーであることが多いかもしれませんが、周囲にいる良き理解者、配偶者、恋人や友人、上司や教師、宗教者、先輩や親族などがそうした役目を担ってくれることがあります。

そういった人との出会いは愛着障害を抱える人にとって、人生の転換点となるのです。