ネガティブな認知とセットになっていることが多いのは完璧主義や二分法的認知です。ここでは、その傾向の強さについて簡単にチェックしてみましょう。
以下に8つの質問があります。どれだけあてはまるか考えながらみてください。
- できたところよりも、できていないところに目がいってしまう
- 楽しい気分でいても、何か悪いことがあると、急に不機嫌になったり、落ち込んでしまうことがある
- 欠点がみえると、急に熱が冷めてしまう傾向がある
- 一度でも失敗すると、がっかりして、もうやる気をなくしてしまうことが多い
- 同じ人をとても好ましく思うこともあれば、とても嫌に思うこともある
- 中途半端なことをするくらいなら、しないほうがいいと思う
- 平凡な人生を送ってしまうのは嫌なので、特別な人になりたいと思う
- 白黒はっきりさせないと気持ちが悪い
これらは完璧主義や二分法的認知の傾向をみるためのものです。8つの質問のうち、4つ以上該当する場合は、その傾向があり、6つ以上当てはまる場合は、その傾向が強いといえます。
ネガティブな人にひそむ完璧主義や二分法的認知
二分法的な認知とは、全か無か、白か黒か、100か0か、敵か味方か、善か悪か、優れているか劣っているか、正しいか間違っているか、 などといったような両極端の、選択肢が2つしかないような認知の仕方です。
二分法的認知はしばしば完璧主義に至ることが多く、少しでもだめなところがあると、全部がだめに思えてしまいます。
認知がネガティブな傾向のある人には、二分法的認知や完璧主義がひそんでいることがよくあります。
世の中は割り切れないことが多い
すべてが良いものだけしか認めない、という完璧主義的な見方で他の人や物事を見てしまうと、たいていのものはどこか不完全なため、悪いものに思えてしまいます。
つまり、人に対してであれ、物事に対してであれ、欠点や悪いところばかりを見てしまい、不満や怒りを抱いて攻撃的になりやすくなってしまいます。その結果、人間関係を不安定にしたり、喧嘩や言い争い、離婚や別れの要因となったりします。
その攻撃の方向が自分自身に向かうことも多く、うつ気分や自尊心の低下、自己破壊的な行動を招きやすくなります。
この世の中に存在するものの多くは、「100」か「0」かできっちりと分けることのできないものです。物事のあるがままの姿に完璧主義や二分法的認知が合っておらず、そのような考え方をする人にストレスをもたらしてしまうのです。
現在の混沌とした世の中は私たちの見方に合わせてはくれません。こちらのほうが見方の調整を強いられることがずっと多いですが、幸い、完璧主義も二分法的認知も変えることのできるものです。
ネガティブな人にひそみがちなこれらの認知について考えましたが、次回は、別の要素である、「否定的な体験に必要以上にとらわれる」ことについて考えます。