仕事は仕事ができる人に集中しやすい 過労と疲労が招くうつ

仕事は大切だが、頑張り過ぎない

元気な人でも身体・精神的な過労が長期間続くと、うつなどの心の病気が生じることがあります。仕事というのは、仕事ができる人に集中しやすいという特性があるため、責任感が強く、頼りになり、仕事もできる人が時に倒れてしまうことがあります。

30代や40代の働き盛りの人がうつ病をはじめとする心の病気を発症する原因のひとつに、容量オーバーという要素があります。要するに働き過ぎです。自らの許容範囲をいつしか超えてしまい、ついには身体的にも精神的にも倒れてしまうのです。

そのようなケースの場合、睡眠や休息が不足していることはよく見られ、一方で、その人にかかっている仕事負担は過剰で、疲れきっています。仕事時間は長く、本来休みであるはずの週末も休みがとれないといった状況かもしれません。

ストレスホルモンで1~2週間がんばれる

人間の身体は、ある程度のストレス負担がかかった場合、1,2週間程度であれば放出されるストレスホルモンによって、脳や身体の活動性が高まり、増大した負担分をなんとか乗り越えることができます。

しかし、さらなる長期的な負担がかかると、活動性を高めるために放出されたはずのストレスホルモンが今度は、脳の神経細胞を障害する方向へ働き始めます。そうなると、脳の神経細胞は萎縮したり、死滅してしまいます。

脳の神経細胞に異変が生じるばかりではなく、アドレナリン,ドーパミン,セロトニンなどの神経伝達物質の枯渇が起きてきます。こうなってしまうと、いくら栄養ドリンクを飲んだり、気合いで乗り越えようとしても、脳も体も思うように動かなくなります。

疲労によって脳の処理能力が低下してしまうと、そのような状況から抜け出すためにはどうしたらいいのかといったことさえ判断できなくなってしまい、負のスパイラルはどんどん泥沼状態に陥ってしまいます。

無理をしない

こういった状況になるのを防ぐには、はじめから無理をしないことです。

仕事ができる人のところに仕事が多く舞い込む性質がありますが、そうした人は大抵、責任感もあります。多少無理をしてでも頼まれた仕事をこなしてしまうのです。できる人ほど潰れやすいという悪環境はこうした背景から生じています。

自己管理という領域になりますが、自分にかかっている負担の容量が適正か、常に監視しておくくらいの気持ちがあるといいかもしれません。

そのために、割りと厳格なスケジュールや自己管理、簡単に仕事を引き受けてしまわない心構えも大切になってきます。「だいじょうぶだろう」という、小さな無理の積み重ねがやがてうつ病を招いてしまうのです。

倒れれば自分が損

たくさん背負い込んで倒れてしまい、うつ病などの心の病を発症してしまったら、仕事を頼んだ人たちはどんな埋め合わせをしてくれるのでしょうか。

うつ病になって脳の萎縮まで生じ、回復まで何年も要する状態になったところで、誰も面倒を見てくれるわけではありません。病気を発症して仕事に支障が出ると、仕事の質が下がり、会社からみた仕事をする人間としての評価も低下してしまうのです。

下手をすると、生活に困窮したり、自らの命を絶つところまで考えたりするようになり、生涯消えない心の傷やつらい気持ちを味わうことになるのです。

いつでも、ぎりぎりのところまで頑張るのではなく、十分前もってブレーキをかけ、断る習慣を持つことは役立ちます。無理に仕事を続けるより、思い切って早めに仕事を切り上げたり、休みをとってリフレッシュしたほうが、消耗しきってしまうのを防ぐことになるのです。

倒れれば自分自身が損ですから、無理のない範囲で、自分自身や同僚や仕事と付き合ってゆきましょう。