強迫性パーソナリティ障害の人との接し方

リラックス

強迫性パーソナリティ障害の人は自分なりの譲れない「こだわり」があります。それは周囲の人には理解しにくい非効率的な価値観や基準かもしれません。強迫性パーソナリティの人からすれば、その流儀は絶対に正しく、皆に当てはまるものと思い込んでいます。

ですから、他人にも自分なりのやり方や基準を悪気なく押し付けてしまうことがあります。上手に接するコツのひとつは、その人のこだわりを否定しないことです。

こだわりを否定することは、強迫性パーソナリティの人そのものを否定することに匹敵するといっても過言ではありません。

なんとかその価値観を変えさせようとしても、無駄なばかりか、不必要な反感を買い、関係が悪化するだけです。ですから、その神聖な領域に土足でずけずけと踏み込まないように注意し、できる限りこちらが合わせる態度が大切です。

きちんとした線引き

強迫性パーソナリティの人のためにも、責任の範囲や役割分担を明確に決めておくことは役立ちます。でないと、本人の完璧主義や秩序による支配欲求が際限なく広がり、どんどん仕事を抱え込み、ついには潰れてしまうからです。

きちんと線引きをしておくことにより、本人は本来の役割に注意を集中して努力することができます。

これは、強迫性パーソナリティの人がなかなか自分で気づきにくいことなので、周りの人から率先して提案することが良いきっかけとなります。強迫性パーソナリティの人の狭く深く攻めることができる長所を活かすためにも、きちんとした役割分担が必要です。

広い視野で見る

強迫性パーソナリティの人は自分のこだわりに強く囚われるあまり、全体がよく見えなくなることがあります。物事を一つの角度や、一つの面しか見ない落とし穴にはまることがあるので、周囲は別の視点を提供するよう心がけます。

彼らは、何事もこうでなければならないと強く思い込みがちで、考え方の融通が利かず、それが実現しないと過度に落胆してしまいます。もっと広い視野で見れば、他の選択肢もありますし、それぞれに良い点や残念な点もあります。完璧な答えなどない場合もあります。

世の中、「~でなければならない」ことなど、そんなに多くは存在しません。強迫性パーソナリティの人は自分の頭で描いている以外の新しい発想があまり得意ではありません。

ですからその人が気づいていない、より広い視野を提案する際も、押し付けという形にならないようオプション的な形、問いかけの形、アドバイスを求めるような形などの方法で、ていねいに発してゆきましょう。

力を抜いてもらう

強迫性パーソナリティの人は休むことが苦手です。目標に向かってひたすら突き進む中で、休憩したり、寄り道したりといった心の余裕がありません。休日の旅行でもすべては予定通りに進行し、朝から晩まで動きまわって楽しむどころではありません。

遊びが苦手で、すべてが予定通りに進んでいるか気になり、予定をこなすだけの義務になってしまうのです。ですから、休むのも仕事のうちという新しい捉え方を加える必要があります。向き合うすべてのことに100%の力を使わないことが長く走る秘訣です。

人生は長距離走のようなもので、全力疾走ばかりしていてはゴールまで辿り着く前に疲れ果ててしまいます。彼らには「完璧でなければならない」という思いがあるので、仕事はもちろんのこと、子育てや趣味や遊びさえ懸命にやりすぎてしまいます。

「程よく取り組む」、「70~80%くらいの力加減」がこの手の人には必要です。すんなりと納得して、実践してもらうのはたやすくないかもしれません。ですが、完璧に物事を成し遂げるのと同じくらい重要なことなので、折にふれて思い起こさせてあげましょう。