妄想性パーソナリティ障害(猜疑性パーソナリティ障害) 接し方

目指すべきは中立

妄想性パーソナリティ障害の人とどのように接することができるでしょうか。ポイントは、親しくなりすぎず、ある程度の距離を置いて付き合うことです。

妄想性パーソナリティ障害の長所として、活動的で親切、頼りになるように思えることがあります。よい友人になれそうな感じがするかもしれません。

人を信じるのを苦手とする彼らも、出会って間もない人には心を許したりすることがあるのです。ですから一見すると相手が妄想性パーソナリティ障害とはわからないでしょう。

しかし、それも最初のうちです。だんだんと親交を深めるにつれ、本性が表れてきます。

親しい仲になった後、互いの間でささいな行き違いやトラブルが発生すると、あっという間に彼の人間不信に火がつき、燃え上がります。

妄想がひとり歩き

妄想性パーソナリティ障害 ストーカーになりやすい」の項目で述べましたが、妄想性パーソナリティ障害の診断基準には以下のようなものがありました。

  • 友人または仲間の誠実さや信頼を不当に疑い、それに心を奪われている。
  • 悪意のない言葉や出来事の中に、自分をけなす、または脅す意味が隠されていると読む。
  • 恨みをいだき続ける(つまり、侮辱されたこと、傷つけられたこと、または軽蔑されたことを許さない)

こちらが普通に友人として接していても、妄想性パーソナリティ障害の人の心の中で様々な疑いが渦巻いています。遅かれ早かれ、相手の一方的な妄想ゆえの問題が生じることは避けられません。

友人に与えられる試練

忘れてはならない点として、彼らは親しくなった友人を試します。

妄想性パーソナリティ障害の人は…

「他人は信じられないもの、どうせ親しいふりをしているだけだ」

「ちょっと圧力をかければ、またはきつい要求をすれば、彼らの化けの皮をはがせるはず」

…このような感じで考えます。そのことを証明しようとして、親しくなった人に無理な要求をしてくるわけです。こちらが対応できずに断ると、どうなるでしょうか。

「ほら見ろ!、友人のふりをした偽善者だ、この裏切り者め!」、などと、激しい怒りと復讐心が彼の心のうちに宿ります。

これが異性の相手であれば、妄想性パーソナリティ障害の人の心の中で妄想が先走りして錯覚を起こし、肉体関係や結婚を迫られることもあります。

もちろんそんな気はまったくないので丁重にお断りすると、味わった屈辱感への代償として、怒りと恨みを買うことになります。

対決は避ける

このように、親しくなった後、少しでも問題が生じると関係が激しくこじれる厄介なことになります。

ですから、最初から親しくなり過ぎないように注意しなければなりません。もし、問題に陥ったならどうしたらよいでしょうか。

とにかく対決は避けることです。下手に言い訳をしたり、議論したり、説得しようとするのは愚かなことです。

正論が通じると思う時点で間違っています。戦う形になれば、それはまさに妄想性パーソナリティ障害の人の病的なスイッチを押してしまうことになります。

彼らの疲れを知らない病的なエネルギーに立ち向かうことになるからです。とてもかなう相手ではありません。下手をすれば、命を狙われます。素直に謝るのが一番です。

相手にとってつまらない人間でいること

このようなことにならないために、普段から中立の立場を保ち、目立たず、ターゲットにされないようにしましょう。相手にとってメリットもなければ害もない、つまらない人間でいることが予防策であり、対処策となります。

妄想性パーソナリティ障害の人の側につけば、試練が訪れてやがて関係はこじれることになります。かといって、敵側に回れば、相手からのねちねちした攻撃はしつこく続き、こちらが精神的に参ります。

中立であれば、そんなことにはなりません。否定や反対や抵抗がなければ妄想性パーソナリティ障害の人の病的なエネルギーも萎んでしまうからです。

妄想性パーソナリティ障害の人の前では、まさに「のれんに腕押し」的な人間でいることが助けになるのです。