統合失調症 妄想型

妄想

統合失調症は大きく3つのタイプに分類され、その内容は分解型、緊張型、妄想型となっています。ここでは、妄想型について取り上げています。

妄想型は、3つのタイプの中で最も年齢が高くなってから発症する統合失調症のタイプで、その名のごとく、妄想や幻覚を主な特徴とします。

生活能力や平均的なIQも高い事が多く、認知機能障害が見られることも稀で、予後が良いのがこのタイプの特徴でもあります。

被害妄想と誇大妄想

妄想が主な症状ですが、その妄想は被害的な妄想と、誇大内容の2つに大きく分類されます。

解体型の統合失調症も妄想がありますが、それに比べると論理的で、筋が通ったストーリーを有しています。かなり内容の深い、込み入ったストーリー性を持つものもあります。

当人のうちで大きな世界を成しているそれらの妄想は、「妄想体型」と呼ばれ、完全に出来上がった妄想世界は、いかなる治療によっても完全に取り去ることは困難とされています。

一方、被害妄想は一度とらわれると、自らの被害者感情からか、性格が変わったかのように暴言、暴力など、周囲に対して攻撃的になる場合があります。普段優しく、温厚な人でもこの妄想症状に陥ると変化してしまうので、周囲は面食らいます。

意味なく攻撃的になっているわけではなく、妄想であったとしても、本人は大きな被害を受けたと実感しており、自らを守ったり、仕返しをしたりするための理由ある行動なのです。

妄想型の診断基準

以下はDSM-5における統合失調症の妄想性障害の診断基準です。

A. 1つ以上の妄想が1ヶ月間以上存在している.

B. まとまりのない発語(例:支離滅裂な発語)、ひどくまとまりのない緊張病性の行動(カタレプシーなど)、感情表現が乏しくなったり、意欲が消滅するなどの陰性症状、幻覚(妄想にまったく関連のないもの)などが見られない.

C. 妄想または、それから波及する影響を除けば、機能は著しく障害されておらず、行動は目立って奇異であったり奇妙ではない.

D. 躁病エピソードもしくは抑うつエピソードが生じたとしても、それは妄想の持続期間に比べて短い.

E. その障害は、物質または他の医学的疾患の生理学的作用によるものではない. または醜形恐怖症や強迫症など他の精神疾患ではうまく説明されない.

幾つかのタイプ

妄想型は大きく被害妄想と誇大妄想に分けられますが、そのほかにも幾つかのタイプがあります。

被愛型妄想―被愛型は、ある人物が自分に恋愛感情を抱いているという強い妄想を持っている場合のものです。

嫉妬型妄想―嫉妬型は、自分の配偶者や恋人が不貞を働いていると思い込んでいる場合に当てはまります。

身体型妄想―身体型は、自らの身体機能または感覚に関わる妄想を抱いている場合に適用されます。

混合型妄想―混合型は、その字のごとく、いくつかのタイプが混合して存在している場合に当てはまります。

特定不能型―これは、どの型にも当てはまらない場合や、はっきりと決定できない場合に適用されます。